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「Rp.+レシピプラス」2021年春号 Vol.20 No.2

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2021年春号 Vol.20 No.2
となりのウイルス
ウイルスを知って,感染予防や対策につなげよう

ISBN: 978-4-525-92212-2

定価:1,320円(本体1,200円+税10%)

日馬由貴/村上 理/浜田康次/島﨑 学/塚田訓久/伊藤健太/鈴木道雄/原國政直/伊東直哉/谷崎隆太郎/大竹正悟/吉田美智子/谷河 翠/武井 悠/忽那賢志/武藤義和/堀 成美/笠井正志/赤瀬朋秀

はじめに

国立国際医療研究センター AMR臨床リファレンスセンター
兵庫県立尼崎総合医療センター 小児感染症内科
日馬由貴

 昔,『Dr. スランプ』という漫画で,蚊が主人公であるアラレちゃんの血を吸った後,「お礼にカイカイ薬を塗ってあげよう」と言って,薬を塗って去っていくシーンがあった.作者のイマジネーションが溢れる,今でも強く印象に残っているシーンではあるが,この描写は事実と反する.蚊は吸血時の麻酔として自らの唾液を皮下に送り込み,痛覚を抑制する.この麻酔がアレルギー反応を起こして痒みが生じるのであって,蚊の意図としては,カイカイ薬を塗るどころか,むしろ吸血前に人体を痛みから守っているのである.
 ある種の生物が生きる上で別の生物の力を借りる場合,相手にとって嫌なことをして嫌われてしまったら自分も損をする.そのため,普通に考えれば共生の道を選ぶことが最も理に適っている.それは自己の複製に生物の細胞を必要とするウイルスも同様のはずなのに,なぜウイルスはヒトを殺してしまうのだろうか.ウイルスに直接聞いてみたいところだが,もちろん,ウイルスは人間と会話をすることができない.しかし,もしウイルスが言葉を話せるとしたら,彼らはわれわれにどんなことを語りかけるだろう.われわれはイマジネーションを駆使して,それを想像することができる.この特集では,ウイルスを憎悪や恐怖の対象としてではなく,対話すべき存在として扱ってみようと思う.ウイルスをわれわれの隣人と見做して,その声を聴いてみようと思う.ウイルスと仲良くしようという意味ではない.それは必ずや,われわれとウイルスとの戦いの役に立つだろう.

第1特集 今だから語ろう,ウイルスを

■ウイルスを知れば百戦して殆うからず
 ・ウイルス解体新書 〜見てわかるウイルスの構造と特性〜
 ・ウイルスとはなにものか
 ・かぜのとき僕らの身体には何が起きているか
 ・人間の遺伝子に取り込まれているウイルス(HHV-6)
 ・ウイルスの履歴書

■ウイルスと戦う方法
 ・消毒薬
 ・ワクチン
 ・抗ウイルス薬
  HIV感染症治療薬/B型肝炎治療薬/C型肝炎治療薬/
  単純ヘルペスウイルス感染症,帯状疱疹治療薬/
  インフルエンザ治療薬/サイトメガロウイルス(CMV)治療薬

■なんでもウイルス相談室

第2特集 今だから語ろう,コロナウイルスを

■再検証! 新型コロナウイルス
 ・新型コロナウイルスは今までのウイルスと何が違うのか
 ・新型コロナウイルス対策に関する噂の再検証 〜空間除菌からBCGまで〜
 ・薬局ができる新型コロナウイルス感染症対策
 ・新型コロナウイルスの最大の副反応「集団心理」

■巻末提言
 ・ウイルスがぼくらにもたらすもの ─福音と災厄

コラム

・新型コロナウイルスのワクチン
・子ども達への眼差しと子ども達からの眼差し

Series

・最近のコクシ インフルエンザ
・プレイバック物化生 ウイルスって,生き物?
・ハマゾン.co.jp 破壊する創造者
・漢方検分録 ケースで学ぶ漢方薬の安全チェック
 成分重複を考慮して,麻黄の副作用発現への注意喚起をする 閻マオウ編

book review

速解! 調剤報酬2020-21(南山堂)