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「治療」2016年4月 Vol.98 No.4

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2016年4月 Vol.98 No.4
医療経済学のススメ

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

診療を「医療経済」という視点で俯瞰する

 昨今,わが国を含めた国際社会では,医療を取り巻く環境が大きく変化しつつあり,医療分野において経済学の果たすべき役割が拡大しています.臨床医も「医療経済」という言葉は耳にする機会が増えているものの,誤った解釈がなされていることも多く,また掴みどころがないために臨床現場とうまく結びつけられていないのが実情だと思います.
 医療経済学は,現在わが国でも本格的に導入が検討されている医薬品の費用対効果のみならず,診療ガイドラインや予防医療,終末期医療など,実は日常診療におけるさまざまな領域と密接に関連する学問なのです.そして,われわれが提供するヘルスケアサービスの質(効率性:efficiency)にも深くかかわっています.しかし,臨床医が医療経済について学ぶ機会は,現状ではほとんどありません.
 本特集では,まず医療経済(とくに医療経済評価)に関する情報に接するために必要なキーワードを解説するほか,批判的吟味に有用なガイドラインについて取り上げます.医療経済に関する文献には,一般的な臨床研究には用いられない独自の手法や用語が存在し,臨床医にとって障壁の1つになっているためです.ついで,医療経済学がどのように医療に活用されているのか,もしくはどのような経済理論が存在するのかについて,とくに臨床医と関係が深いトピックを取り上げます.これらの内容を通して,みずからの診療を医療経済という新しい視点でも俯瞰することが可能になると考えます.
 本特集が医療経済学に親しむための入門書となり,臨床医が関心をもつきっかけになれば幸いです.
 最後に,本特集に当たりご執筆くださった先生方に対し,心から感謝の意を表します.

[編集幹事] 京都大学大学院医学研究科 医療疫学分野  青木拓也

特集の目次

■総 論
臨床医と医療経済学(青木拓也)

■医療経済評価の読み方
医療経済評価の定義,目的,種類(水野聖子)
効用,質調整生存年(QALY)とは(中部貴央)
コスト計算,割引・分析の立場とは(堤(太田)育代)
増分費用対効果比(ICER)とは(原 広司)
不確実性に対処する —感度分析—(河内健治,他)
医療経済評価におけるモデル(林田賢史)
医療経済評価の吟味に役立つガイドライン(寺岡英美,他)

■医療における経済学の活用
医療技術評価(HTA)(下妻晃二郎)
診療ガイドラインにおける医療経済評価の活用(蓋 若琰,他)
予防接種と医療経済(井深陽子)
生活習慣病・行動変容と医療経済(後藤 励)
終末期医療と医療経済 ─高齢化は医療費増加の真因か?─(加藤光樹)
プライマリ・ケアと医療経済・医療の質(金子 惇)

連載

今月のお薬ランキング
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実践!医療経済学のススメ(阿部計大)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識 (16)
【理念編】在宅医療で大切なのは,患者さんの不安を取り除くこと(永井康徳,他)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(18)
霊感の人(京極 真)

「治療」「薬局」合同連載 ポリファーマシー “処方整理力”を鍛える! Dトレ(1)
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胸痛に惑わされて……(胸痛)(八幡えり佳,林 寛之,大西弘高)