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「治療」2015年3月 Vol.97 No.3

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2015年3月 Vol.97 No.3
認知症を診ていこう

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

かかりつけ医ならではの認知症診療がある

 認知症800万人時代ともいわれている.わが国ではその70%をかかりつけ医が,30%をいわゆる専門医が診ている.多くの専門医療機関では初診まで2〜3ヵ月まつという状況は珍しくない.かかりつけ医が診療している患者のなかで,何らかの認知症をもつ人がどのくらいの割合を占めているかというデータはないが,かかりつけ医の協力なしには,認知症医療は成り立たない.
 かかりつけ医ならではの認知症診療があるはずであり,注目すべきは,認知症症状に大きく影響する家庭などの環境の理解が,専門医にはあまり期待できない点ではないだろうか.単に抗認知症薬を処方するだけではなく,いかに環境調整に介入できるかによって,BPSDの発現を含めた予後は大きく変化する.
 本特集では,「実際の診療場面でいかに認知症を疑うことができるか」,「疑ったあとにどのようにすれば,家族・介護者の支援も含め,本人をサポートすることができるのか」,「診断や病気の説明はどのようにすればよいのか」,「治療薬の効果について,どうやって説明すればよいのか」など,明日からの認知症診療にただちに役立つテーマについて,熟練の先生方にわかりやすく解説していただいた.
 たしかに認知症診療では,ほかの疾患に比べて長い診療時間を要することがあり,とくに家族支援を考えた際には,必ずしも十分な診療報酬上のリウォードがないことも事実で,認知症診療の一定の障壁になっている場合もある.しかし,本特集で示されているような,ある意味でのコツをつかめば,従来よりも短時間で診療をすることができ,介護者あるいは本人に不全感を残すことはほとんどないはずである.
 本特集がかかりつけ医の先生方の認知症診療のハードルを,多少なりとも下げることができれば幸いである.

[編集幹事]
認知症介護研究・研修東京センター
本間 昭

特集の目次

■総合診療医だからこそできるコト
総合診療医ならではの認知症診療(弓倉 整)
外来で早期に認知症を疑うコツ(西川 隆)
総合診療医はどこまでBPSD に対応すべき?(森  敏)
総合診療医だからできる家族・介護者支援(神戸泰紀,他)
総合診療医にとっての地域連携の意義(小林直人)
認知症の地域医療の実際①(田島幸兒)

■こんなときどうする!?
独居で通院中の患者さんに認知症があるとわかった!?(木村通宏)
認知症患者さんが運転していることがわかった!?(上村直人,他)
糖尿病や高血圧患者さんが認知症を合併した!?(宇高不可思)
家族から徘徊について相談された!?(品川俊一郎)

■患者さん・家族の理解を得られる伝え方
病気の説明(繁田雅弘)
くすりの意義(鷲見幸彦)
くすりの効果(和田健二,他)

■認知症のくすり
アルツハイマー型認知症治療薬の使い分け(水上勝義)
服薬アドヒアランスをよくする工夫(櫻井博文,他)
総合診療医が知っておくべきアルツハイマー型認知症治療薬の薬物相互作用(石井伸弥,他)
総合診療医のための向精神薬使用ガイドライン(角 徳文)

■これだけは知っておきたい!
認知症症状を修飾する要因(長濱道治,他)
総合診療医が知っておくべき介護保険の知識(遠藤英俊)
認知症の地域医療の実際②(北村 伸)

連載

「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
抗てんかん薬に新旧交代はあるか?(浜田康次)

すんなりわかる
実践! 認知症を診ていこう(洪 英在)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質=理念×システム×制度の知識(3)
【制度の知識編】カンファレンスの質を高める「カンファレンスでの4つの呪文」(永井康徳,他)

タイムマシンに連れられて 30年後の未来医療(8)
2045年 診療所総診医の独白(守屋章成)

私たちはこんな世界を生きている アスペルガー症候群の当事者研究(15)
僕を苦しめた,わけがわからないものの正体(菅下 慈)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(5)
差別の人(京極 真)

寄稿

臨床経験
著明な多発性を呈した特発性細菌性肝膿瘍症例(山根建樹,他)