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「治療」2015年2月 Vol.97 No.2

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2015年2月 Vol.97 No.2
その気にさせる伝え方

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

今月の視点

コミュニケーションの重要性

 大学3年生の法医学の授業で,いつも明快でズバっという講義で人気だったK教授がこんなことをいっていた.「インフォームドコンセントなんて,あんなもの,相手と同じ言語と同じレベルで話ができれば,あえて問題にすることではないのです」,そして筆者が初期研修を行った武蔵野赤十字病院の当時のM副病院長も,「医療訴訟の70〜80%が,医療者と患者のコミュニケーション不足に起因しています」と話していた.当時はそんなものか,と心からの納得はなかったが,いわゆる中堅の世代になり,小さなクリニックを経営する身となった今の筆者には,痛い程この言葉が身に染みる.
 とはいえ,コミュニーケーションという講義は,学生時代には受けたことはないし,就職後に研修でコミュニケーション技法を学ぶこともあまり多くはなかった(それでも武蔵野赤十字病院の研修は重視していたほうだと思うが).後輩にコミュニケーションの重要性は伝えられても,その具体的な方法までは指導できない.
 本特集では,このようにコミュニケーションの大切さはわかっているが,体系的に学んだことのない読者(筆者も含めて)向けに,基本的な考え方,技法について,解説をお願いした.コミュニケーションに詳しい医師は多くはないが,現場で活躍している第一線の臨床医や指導医に執筆していただいた.
 まずは,総論を草場鉄周先生(北海道家庭医療学センター)にお願いし,各論は患者・家族編,研修医編,スタッフ編,地域とのかかわり編の4部構成とした.それぞれのテーマは,できるだけ具体的なものとし,目の前の相手に対して,すぐ実践できる具体的なアプローチを重視して解説していただいた.
 もちろん,それぞれの執筆者はほかの原稿を読んでいないが,全編を読み込んでみると,不思議と共通のポイントや考え方がみえてくる.もしかすると,それが1番大切なメッセージなのかもしれない.全編を熟読していただき,明日からの診療や指導,地域での活動に活かしてもらえれば幸いである.

[編集幹事]
多摩ファミリークリニック
大橋博樹

特集の目次

■総 論
人と人をつなぐコミュニケーション(草場鉄周)

■患者・家族編
患者のうまい乗せ方─いうことを聞かない患者①─ (小宮山 学)
患者のうまい叱り方─いうことを聞かない患者②─ (土田知也)
喋ってくれない患者(太田 浩)
クレーマーな患者(飛松正樹)
ケアに参加してくれない家族(髙木 暢)
ダメージを受けている家族(患者の休職などにより)(髙栁宏史)
バッドニュースの伝え方(玉井友里子)

■研修医編
落ち込んでいる研修医(森屋淳子)
スタッフと打ち解けられない研修医(チーム医療に交ざれない)(北山 周)
コミュニケーション技法の伝え方(町野亜古,他)

■スタッフ編
チーム力を高めるコミュニケーション(浜野 淳)
チーム力を高めるための効果的な朝礼・挨拶のススメ (永井康徳)
チーム力を高めるための効果的な機会づくりのススメ(勉強会,宴会,慰安旅行など) (森 洋平)
ただしい言葉遣い─押さえておきたいビジネススキル①─ (千葉 大)
ただしいメール・手紙の書き方─押さえておきたいビジネススキル②─ (平山陽子,他)
ただしい身だしなみ─押さえておきたいビジネススキル③─ (村田亜紀子)
ただしい“ほうれんそう”─押さえておきたいビジネススキル④─ (中澤一弘,他)

■地域とのかかわり編
地域の一員となるために(雨森正記)
地域の多職種カンファレンスの開き方(松田 諭)

連載

すんなりわかる
実践! その気にさせる伝え方 心療内科医からみる,患者対応の TIPS(酒井清裕)

在宅医療をはじめよう! 在宅医療の質 = 理念×システム×制度の知識(2)
【システム編】在宅医療の興し方(永井康徳,他)

心楽しく働くにはどうしたらよいか?? 信念対立解明アプローチ入門(4)
上から目線の人(京極 真)

タイムマシンに連れられて 30 年後の未来医療(7)
家庭医がつなぐ,“国家の健康”と“あなたの健康”2045 年における家庭医療の専門性(吉田 伸)


臨床経験
急性心筋炎,急性腎不全を合併した劇症 1 型糖尿病を発症し,その後に肺類上皮血管内皮腫を発症した 1 例(猿井 宏,他)

口唇の潰瘍に対するラップ療法の有用性(水原章浩)

体圧分散マットレスの代替品としてのキャンプ用エアーベッドの褥瘡予防効果とコスト削減効果(水原章浩)