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「治療」2014年2月 Vol.96 No.2

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2014年2月 Vol.96 No.2
お母さんを診よう
子育て世代の女性の健康問題に取り組む

定価:2,700円(本体2,500円+税8%)

今月の視点

 「子どもをもつお母さん」に外来で出会ったら,とくに気をつけていることはありますか? 妊婦さん,授乳婦さんは苦手ではないですか?
 女性は一般的に,妊娠前・妊娠中に自分の健康について考えるようになります.この年代は,妊婦健診,乳児健診,子どもの予防接種やかぜなどで,産科や小児科,プライマリ・ケア医へ頻繁に受診します.しかし,出産後の女性は育児に直面し,自分自身の健康に無関心になっていることが多く,症状があっても受診には至らないことが少なくないのが現状です.妊娠糖尿病や妊娠高血圧症の出産後フォローアップも不十分です.
 また,妊娠したい女性,妊娠しているかもしれない女性に対して,医師としてどのようなことに気をつけたらよいのか,学べる機会はあまり多くはありません.妊娠中のX線撮影や,妊娠・授乳中の投薬に関しては,患者側も医療者側も必要以上に警戒していることもよくあります.
 妊娠・出産に伴い,女性に起こる心身の健康問題は,特別なアプローチが必要です.お母さんを診るときは,「子育てをしている」というコンテキスト(背景)を考慮することが大切なのです.母は子どもへの影響を常に考えます.また心理社会面でも子育て中に特異的なストレスがあり,体の不調が多いにもかかわらず,なかなかそのことを訴えることが少ない時期でもあります.
 本特集では,お母さんがかぜなどでプライマリ・ケア医を受診したとき,どのようなことに気をつけるべきかについて,疾患だけでなく健康増進,予防,メンタルヘルスという視点も加えた内容となっています.この特集を読むことで,日常診療のなかでの,お母さん世代のマネジメント能力がアップできるものと考えています.人知れず悩んでいるお母さんたちに声をかけられる素敵なプライマリ・ケア医となるための一助となれば幸いです.

西村真紀 医療福祉生協連 家庭医療学開発センター/川崎医療生活協同組合 あさお診療所 所長
中山明子 大阪家庭医療センター/西淀病院

特集の目次

今月の視点(西村真紀,他)

■各 論
妊娠前ケア(妊娠したい人ケア) ─ 基礎体温・葉酸・風疹ワクチン・基礎疾患・STD─(菅長麗依)
妊婦さんが外来に来たとき ①血圧・糖尿(清田実穂)
妊婦さんが外来に来たとき ②投薬(遠井敬大)
授乳中の薬(寺岡英美)
おっぱいの相談(乳房のしこり,痛み)(長尾智子)
母乳育児(野口 愛)
家族計画・避妊(ピル)(池田裕美枝)
女性のがん,HPVワクチン(伊藤雄二)
産後のメンタルヘルス(マタニティーブルーズ,産後うつ病)(森屋淳子)
家庭内暴力,とくに配偶者からの暴力(Intimate Partner Violence:IPV)(小坂文昭)

■column
セクシュアリティ(セックスレス,性交痛)(田頭弘子)
たばこ・アルコール(吉本 尚)
子育て系相談:子どもへの性教育(来住知美,他)
文献・ウェブサイト紹介(西村真紀,他)

Series

私たちはこんな世界を生きている ─アスペルガー症候群の当事者研究─(5)
広汎性発達障害,自分自身の特異な性質との戦い(林 昌枝)

医者のストレス,患者の不満(14)
医療過誤(寺本研一)