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「治療」2012年1月 Vol.94 No.1

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2012年1月 Vol.94 No.1
肺炎外来マネジメント
新たに加わった概念「医療・介護関連肺炎(NHCAP)」など最新の動向を探ります

定価:2,625円(本体2,500円+税5%)

今月の視点

 「肺炎」は現代においても,常に経験する普遍的な感染症である.また死亡原因統計をみても,肺炎は悪性腫瘍,心疾患,脳血管障害についで第4位を占めている.さらに最近では,脳血管障害を抜いて肺炎が第3位につけている県もいくつかみられる.このような現状の背景には,「肺炎」が社会環境や宿主条件の変化に伴いながら,自らも変容している事実がある.その変容を生じる因子には,高度医療の陰で増加する多彩な免疫低下宿主とその日和見感染の複雑化や,抗菌薬治療から生まれる耐性菌の環境中への拡散,新しい起炎菌や耐性菌の国内移入も問題となっている.また東日本大震災による未曾有の災害は急激な環境破壊をもたらし,その結果として津波肺炎や結核流行といった想定外の感染症の出現をも招来している.
 これら肺炎の変容に対して,最近では新たに「医療・介護関連肺炎(NHCAP)」という疾患概念が確立され,新規ガイドラインが発行されるに至っている.この疾患はわが国の医療環境を勘案したうえでの,市中肺炎(CAP)と院内肺炎(HAP)の間に位置する高齢者を中心とした難治性の肺炎群である.そのほかにも,新規の起炎菌の迅速診断法や,外来静注療法(OPAT),肺炎の外来治療の推進など,新たなトレンドも現れている.
 そこで本特集号では,呼吸器感染症の各分野で最も造詣の深い先生方に,各項の執筆をお願いした.内容的には,市中・院内肺炎に加えてNHCAPの詳細から,さらにワクチン効果や患者満足度まで,とくに外来臨床を中心に役立つ情報を広く網羅したつもりである.本誌を通じて感染症「肺炎」の最新情報が伝わり,臨床現場での肺炎の的確な診断治療に寄与することを,大いに期待するものである.

中浜 力 中浜医院 院長

特集の目次

今月の視点(中浜 力)
■総 論
市中肺炎― 最近のトピックス―(藤田次郎)
院内肺炎― 最近のトピックス―(青木洋介)
小児肺炎― 最近のトピックス―(黒崎知道)
成人肺炎ガイドラインの臨床的意義とその評価(渡辺 彰)
■各 論
NHCAP(医療・介護関連肺炎)ガイドラインの定義(関 雅文,他)
NHCAP の原因菌と耐性菌の危険因子(進藤有一郎,他)
NHCAP での抗菌薬の選択(石田 直)
NHCAP における誤嚥性肺炎のマネジメント(寺本信嗣)
市中病院でのNHCAP の実際(伊藤功朗)
プライマリ・ケアでのNHCAP の実際(中浜 力)
東日本大震災後の肺炎発症の状況(高橋 洋)
肺炎診断とグラム染色(田里大輔,他)
肺炎迅速診断法のトピックス(福島喜代康)
マイコプラズマ肺炎― 診断法とトピックス― (峰松明日香,他)
クラミジア・ニューモニエ肺炎と百日咳― 診断法とトピックス― (宮下修行)
成人肺炎の耐性菌とその治療法(水谷 哲)
小児肺炎の耐性菌とその治療法(大石智洋)
外来肺炎の診療マネジメント(髙野義久)
在宅肺炎の診療マネジメント(守屋 修)
外来静注療法(OPAT)(加藤元一)
肺炎の予防とワクチン接種(宮良高維)
アメリカにおける肺炎診療の現状(笠原 敬)
市中肺炎患者の治療満足度調査(中浜 力)
■Q&A
肺炎診療におけるCRP とPCT の有用性を教えてください(吉田耕一郎,他)
肺炎診断における血液培養の有用性を教えてください(永田正喜)
院内肺炎(HAP)におけるde-escalation の実際的な治療方法を教えてください(田中孝正,他)
ここ最近に発売された新しい抗菌薬の特徴やよい適応を教えてください(塚田弘樹)

すんなりわかる
実践! 肺炎外来マネジメント(金城謙太郎)

Series

温故医新(22)
身体診察の奥の深さ(髙野義久)
→当時の論文を全文閲覧できます(PDF:1.8MB)

よりよい医院経営(78)
患者本位の治療に必要な医薬品情報と情報共有(佐藤幸夫)

何が正解? 消化器治療 EBM で検証(79)
NASH はどうやって治療するのか?(川名一朗,他)