定価:2,415円(本体2,300円+税5%)
血液専門医を対象とした血液疾患の最先端医療に関する書籍や雑誌の特集号は数多く発刊されているが,プライマリ・ケア医/家庭医が血液疾患に遭遇した際の対応法を幅広く紹介した解説書はきわめて少ない.「治療」2002年2月号で「血液専門医以外のための血液疾患対応マニュアル」の特集を組んだところ,幸いなことに多くの先生方に好評であった.血液疾患というと特殊な分野として敬遠されがちであるが,実際の日常診療では貧血やリンパ節腫脹の患者に遭遇する機会も多く,血球異常やMタンパク血症などの取り扱いに苦慮することも少なくないと思われる.
前回の特集から8年が経過し,この間に血液疾患の診療も著しく進歩した.造血幹細胞移植をはじめとして最先端医療の専門化がますます進むなか,血液疾患でも病状が安定した患者は一般病院や医院に経過観察を依頼するケースも増加している.このような現状を踏まえて,「血液専門医以外のための血液疾患対応マニュアル」の特集を改めて企画した.執筆は臨床の第一線で活躍されている血液専門医の先生方に依頼したが,前回と同様に,病態の詳細な解説や専門医が行うべき特殊な検査や治療法は思い切って割愛し,プライマリ・ケア医/家庭医にとって必要に知識に絞ってわかりやすく解説していただいた.
「明日から使える診療のコツ」のセクションでは,日常診療で血液疾患を見落とさないためのコツ,血液疾患を疑った場合の対応や専門医へ紹介するタイミングなどを,「プライマリ・ケア医に必要な血液疾患の知識」のセクションでは,専門医以外でも知っておくべき最近の話題,経過観察を依頼された場合の外来診療のコツなどを中心に解説している.
本特集を手元に置くことで,プライマリ・ケア医/家庭医の先生方が「血液疾患は難しい」というアレルギーを払拭し,「血液疾患,ドンと来い!」と思っていただければ幸いである.
浅野嘉延 西南女学院大学保健福祉学部看護学科 教授
今月の視点(浅野嘉延)
■明日から使える診療のコツ
外来で貧血を見つけたら(大崎浩一 他)
外来で多血症を見つけたら(大屋敷一馬)
外来で白血球の増加や減少を見つけたら(武蔵 学)
外来で好酸球増加を見つけたら(岡村精一)
外来で血小板数の異常を見つけたら(小林孝一郎 他)
外来でMタンパク血症を見つけたら(末岡榮三朗)
外来でリンパ節腫脹を見つけたら(髙松 泰)
抗HTLV-Ⅰ抗体陽性時の方針(日高智徳 他)
末梢血スメアの作製法と標本の読み方(三ツ橋雄之)
血球減少の患者にどう対処するか(藤崎智明)
正しい輸血の方法(久冨木庸子)
■プライマリ・ケア医に必要な血液疾患の知識
鉄欠乏性貧血(小松則夫)
二次性貧血(別所正美)
巨赤芽球性貧血(小原 直 他)
溶血性貧血(新倉春男)
再生不良性貧血(中尾眞二)
骨髄異形成症候群(原田直樹 他)
急性白血病(谷口修一)
慢性白血病(佐川森彦 他)
悪性リンパ腫(畠 清彦)
多発性骨髄腫(末岡榮三朗)
特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病(藤村欣吾)
血友病(鈴木伸明 他)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(和田英夫)
血球貪食症候群(大賀正一)
温故医新(10)
どうして悪性貧血というのですか?(浅野嘉延)
→当時の論文を全文閲覧できます(PDF:658KB)
医療ポライトネス・ストラテジー(10)
再論「様」と「さん」-言葉より早く,言葉より遅く-(吉山直樹)
医と社会のコスモロジー -歴史に学ぶ 近代日本と医師たちの課題と実践-(1)(小野尚香)
Doctor's career 医師の多様なキャリアを紹介!(13)(髙橋宏和)
よりよい医院経営(67)
医療施設の機能分化をどのように進めるか(病院編)(石川雅俊)
再生医学のいま -基礎研究から臨床への展開に向けて-(42)
脊髄の再生医療-研究から臨床試験まで-(鈴木義久)
ヒポクラテスが教える病名のない病理学(33)
七について(中島旻保)
何が正解? 循環器治療 EBM で検証(50)
心房細動に対するアブレーション治療(神原かおり 他)