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「治療」2021年5月 Vol.103 No.5

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2021年5月 Vol.103 No.5
救急で魅せる 問題解決コンピテンシー

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

ヒヤヒヤ草食系救急にキラリと光る技を

 救急の現場は阿鼻叫喚の野戦病院のような肉食系救急もあれば,当直を乗り切るためのヒヤヒヤ草食系救急もある.歩いてくる患者を帰宅させて重症化して戻ってくることは何としても避けたいもんね(ヒヤヒヤ).一方,アメリカの救急医が3万7千人もいるのにたいして,日本の救急医はせいぜい4,000人ほどしかおらず,日本の人口がアメリカの人口の約3割であることを考えると,救急医数が足りているとは到底いえない.つまりは本誌読者のような研修医や当直医が日本の多くの救急を支えているんだ(パチパチパチ).専門外なのに日々自己研鑽し患者さんのために頑張っている皆様に心からエールを送ります.全集中で頑張って欲しい!
 本特集は日本の時間外救急を本当の意味で支えているアンサングヒーロー・ヒロインの皆様が安全・安心をすべての患者さんに提供できるよう「キラリ」と光る技をまとめたいと思って企画した.救急のマニュアルさえあれば,当直を乗り切れるなんて甘いものじゃないよねぇ.だってわれわれは血の通った患者さんを扱っているんだから.いろんな価値観やいろんなニーズ,いろんな背景の患者さんに対してテーラーメードに対処できなくては本当の意味で「人」を見る医療はできない.「病気を診ずして,人を診よ」は医療の真髄だもの.さらにわれわれだって人間だ,モヤモヤ,イライラがあって当然なのだ.苦手克服対処法を少しでも知ることができたら,われわれの気持ちも随分余裕ができるはず.そんなキラリと光る技(特集内で匠マークで示した)を本書から盗み取って欲しい(……あ,盗んでないか).惜しみなくさらけ出しちゃう! 患者目線の医療を提供できる,そんな医療者に脱皮できるヒントが本書で提供できたら幸甚に思う.

〔編集幹事〕福井大学医学部附属病院 総合診療部,総合診療・総合内科センター
林 寛之

特集の目次

■見逃し症例から学ぶ 絶対に見逃したくない救急編
見逃しやすい頭痛の pitfalls 林 寛之
見逃しやすい胸痛の pitfalls 田下大輔
見逃しやすい腹痛の pitfalls 水野晴貴
産褥期の落とし穴 石本貴美
のどは大したことないんだけど…… 清水海斗
失神の pitfalls 辻 英明

■嫌がらずにがんばろう編
酔っ払い? ン? 元酔っ払い? 秦 龍彦
GOMER,暴れる患者,対応困難な患者 林 寛之
治療を拒否する患者 川野貴久
frequent flyer ジョーレンさん,いらっしゃい 森田浩史
もしかして小児虐待? 秦 龍彦

■ちょっと苦手を克服しよう編
DNR を救急車で運んだの? 神川洋平
救急で ACP って始めていいの? 林 寛之
家族問題を抱えて行き先が…… 伊藤有紀子
主訴が 4 つ以上あったなら…… 大濱弘光
入院させてほしい…… 楠川加津子

連載

ゲンバで使える!リラックスして読める! 診療の○泌テク(17)
精巣破裂の原因(松木孝和)

今月のお薬ランキング(62)
整腸薬(浜田康次)

臨床と宗教 死を臨む患者に私ができること(4)
宗教が医療に溶け込むとき (孫 大輔,森田敬史)

ジェネラリストのためのLGBT講座(14)
老年期のケア (永易至文)