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「治療」2020年9月 Vol.102 No.9

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2020年9月 Vol.102 No.9
急性期の緩和ケア
緩和ケア新時代の幕あけ

定価:2,750円(本体2,500円+税10%)

今月の視点

 どんな時代にもあとから振り返ると「あのときが転換点だった」と思うような出来事があるものだ.この特集の企画を考えているとき,筆者の頭をよぎったのは,この転換点に対する思いであった.悪性疾患を中心として発展してきたわが国の緩和ケアは,心不全を代表とする非がん疾患への広がりをみせている.いや,非がん疾患患者は多く存在していたし,彼らに緩和ケアを提供し続けてきた医療者もそこにはいたはずである.そういった意味で,この緩和ケアの潮流は新たなものを生み出したのではなく,本来ならばもっと早く現場に存在する患者と家族,そして支援する医療者にフォーカスすべきだったのだというのが筆者の認識である.そのうえで,今回のテーマである急性期の緩和ケアを考えると,急性期医療にも緩和ケアニーズは存在していたのである.科学としての医学のみでなく,全人的な視点から捉えケアするのは,緩和ケアの専門性の1つである.なんとなく埋もれてしまっていた,新たな分野の(ように感じてしまう)緩和ケアニーズを直視し,実践者のリアルな声を届けるような特集にしたいと強く思った.
 上記を踏まえ,本特集では執筆者は実際の行動をとっていることに徹底的にこだわった.わが国の高齢化の進むスピードは凄まじく,のんびり構えてる余裕はないはずである.まして,社会全体が新型コロナウイルスの影響を受けているタイミングである.読んだらすぐ! にでも行動に移していただけるような内容であることに,各執筆者には徹底していただいた.この特集を手に取っていただいた方が,小さくてもよいので,一歩だけでも行動をすることの背中を押すことができれば企画者として本望である.

[編集幹事]飯塚病院 連携医療・緩和ケア科
柏木秀行

特集の目次

■こんなとき緩和ケア!
緩和ケアのパラダイム・シフト(木澤義之)
救急外来での緩和ケア(石上雄一郎)
集中治療での緩和ケア(吉村真一朗)
急性期一般病床での緩和ケア(友田義崇)

■それぞれの立場での緩和ケア
急性期の緩和ケアにおける倫理的ジレンマ(川上大裕)
緩和ケア医からみた急性期の緩和ケア(山口健也)
急性期から診る緩和ケアのバリア(三井 恵,他)

■急性期特有の緩和ケア
コミュニケーション(大屋清文)
外傷における緩和ケア(飯尾純一郎)
自 殺(太田黒崇伸)
臓器提供(渥美生弘)
予期しない死に直面した家族のケア(片桐 欧)
パンデミック下での緩和ケア(柏木秀行)

■これまでの急性期の緩和ケア,これからの急性期の緩和ケア
看護師の役割(藤岡智恵)
学会の取り組み(真弓俊彦)
救急×緩和ケアセミナーについて(岡村知直)

連載

ゲンバで使える!リラックスして読める! 診療の○泌テク(9)
急性精巣上体炎とクラミジア感染症 (松木孝和)

今月のお薬ランキング(54)
α遮断薬(高血圧治療薬) (浜田康次)

NEW PC 医×精神科医 街角の遠隔診療 アタリマエのことを丁寧に(1)
オンラインで処方はできるの? (樫尾明彦,宮内倫也)

こちらつるかめ病院臨床倫理カフェ つるりん(16)
星空の誘惑 (金城謙太郎,長尾式子,竹下 啓)

ジェネラリストのためのLGBT 講座(6)
special population としてのLGBT (久保田 希)

映画で読み解く医療─ シネメデュケーション(映画医療教育)─(18)
倫理的課題に気づいたとき ─ 自律性尊重の原則とは? ─ (宇井千穂)