書籍カテゴリー:臨床薬学|感染症

抗菌薬Navi
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抗菌薬Navi

2010年 1版

  • 愛知医科大学大学院医学研究科 感染制御学 教授 三鴨 廣繁 監修
  • 名古屋セントラル病院 薬剤科 坂野 昌志 著

定価:2,625円(本体2,500円+税5%)

  • A5判 250頁
  • ISBN978-4-525-77441-7

抗菌薬は種類が多く,理解することは一見難しい――そこで必要な情報を取捨選択し,ポイントだけ押さえたのが本書である.PK-PD理論の概説,約130種類の薬剤の解説のほか,微生物の情報も掲載.コンパクトながら抗菌薬適正使用の重要点を習得できる.

序文

医療の進歩に伴い,国民は,すべての医療従事者に高度の専門性が求められるようになってきた.このような背景のなかで,感染制御専門薬剤師・認定薬剤師制度も発足し,高度化する医療の進歩に伴い,薬剤師の専門性を活かしたより良質の医療を提供するという社会的要請に応えるため,高度な薬物療法などについて知識・技術を備えた薬剤師を養成し,国民の保健・医療・福祉に貢献することを目的として感染制御専門薬剤師・認定薬剤師の認定が始まっている.
その一方で,医療関連施設で感染症の治療や予防を行うためには,感染症専門医,インフェクションコントロールドクター,感染制御専門薬剤師・感染制御認定薬剤師,感染管理認定看護師,感染制御認定臨床微生物検査技師などからなる感染制御チーム(ICT)を構成し,チーム医療による横断的診療によって治療や予防に携わることが望ましい. ICTにおける薬剤師の役割として,消毒薬の管理および指導,微生物汚染防止管理,抗感染症薬の管理および指導などがあげられる.
ICTの業務は,「守り」の側面が強い「感染管理」などと「攻め」の側面が強い「感染症コンサルテーション・インターベンション」などに大別されるが,現在の臨床現場では,従来から主たる業務であった「守りの感染制御」だけではなく,「攻めの感染制御」への期待も大きい.また,基幹病院のICTには,感染疫学調査,感染症および感染制御に関する教育,地域医療関連施設への感染対策の普及をはかる中心機関としての役割も求められている.
消毒薬や抗感染症薬などは,適正使用により確実に効果が発現するが,薬剤の特徴を理解して使いこなすには膨大な知識が必要となるため,感染制御専門(認定)薬剤師は消毒薬や抗感染症薬などの専門家としても活躍することが期待されている.感染制御専門(認定)薬剤師による積極的な介入により,各種の合併症をもつ重篤な感染症患者であっても,薬物動態学-薬力学理論(pharmacokinetics-pharmacodynamics : PK-PD理論)や臨床薬理学などを用いて,作用および有害事象の両側面から抗感染症薬の投与設計を適切に決定することができる(個人防衛).さらに,感染制御専門(認定)薬剤師の介入は,耐性菌の発現を抑制する(集団防衛),医療経済性を考慮した投与法を行う(社会防衛)などを可能にする.感染制御専門(認定)薬剤師とともに感染症診療を行う医師は,単独で治療を行う医師よりも,レベルの高い治療を患者に提供することが可能となる.
本書が,臨床現場で有益な情報を提供できる薬剤師を目指す上での契機となるだけではなく,臨床現場でも活用されることを期待している.


2010年1月
愛知医科大学大学院医学研究科 感染制御学 教授
愛知医科大学病院 感染制御部 教授
三鴨 廣繁




目次

本書の使い方

第1章
今日から使える
PK-PDの基礎知識

・抗菌薬側からみた感染症治療の考え方
・PK-PDの基本事項
・MICと耐性菌

第2章
今日から使える
抗菌薬の基礎知識

1 ペニシリン系抗菌薬
2 セフェム系抗菌薬
3 カルバペネム系・ペネム系抗菌薬
4 アミノグリコシド系抗菌薬
5 キノロン系抗菌薬
6 マクロライド系抗菌薬
7 テトラサイクリン系抗菌薬
8 グリコペプチド系・オキサゾリジノン系抗菌薬(抗MRSA薬)
9 その他の抗菌薬
 ・モノバクタム系抗菌薬
 ・ホスホマイシン系抗菌薬
 ・ST合剤
 ・リンコマイシン系抗菌薬
 ・メトロニダゾール
 ・ストレプトグラミン系抗菌薬
10 抗真菌薬
11 抗結核薬
12 抗ウイルス薬
 ・抗ヘルペスウイルス薬
 ・抗サイトメガロウイルス薬
 ・抗インフルエンザウイルス薬
 ・抗肝炎ウイルス薬

第3章
今日から使える
微生物の基礎知識

 ・微生物の分類と特徴
 ・代表的な微生物

索引

コラム 意外に使える豆知識
(1) MICの値が低い抗菌薬ほどよい抗菌薬といえるか?
(2) De-escalationとは?
(3) β-ラクタマーゼってなに?
(4) ESBL,メタロβ-ラクタマーゼってなに?
(5) PAEってなに?
(6) CRP,発熱,白血球と感染
(7) 血沈と感染
(8) モンテカルロシミュレーションとは
(9) %T>MICの計算法
(10) ATC/DDDとは