書籍カテゴリー:臨床薬学|基礎薬学

図解 薬害・副作用学
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みてわかる薬学シリーズ
図解 薬害・副作用学

第2版

  • 鈴鹿医療科学大学薬学部 教授 川西正祐 編集
  • 武蔵野大学薬学部 教授/名古屋市立大学名誉教授 小野秀樹 編集
  • 静岡県立大学薬学部 教授 賀川義之 編集

定価:5,076円(本体4,700円+税8%)

  • B5判 543頁
  • 2017年9月 発行
  • ISBN978-4-525-72072-8

概要

薬害と副作用のすべてがこの1冊に!

薬害を時系列でまとめ,得られた教訓をわかりやすく解説!副作用ははじめて学ぶ学生も一目で分かるようビジュアル化!重大な副作用と頻度の高い副作用がすぐにわかる医薬品リストも収載!薬剤師・薬学生にぜひ読んでいただきたい薬害・副作用学のこれまでにない解説書!

序文

 6年制薬学教育は,患者に必要とされ,患者の役に立つ薬剤師の養成を目指して,平成14年に作成された『薬学教育モデル・コアカリキュラム』に基づいて始まり,その開始からすでにおよそ10年が経過した.この6年制薬学教育では,「薬害・医療過誤・医療事故防止に関する教育が医薬品の安全使用の観点」から求められてきた.そのような背景の下,薬害と副作用に関する体系的な内容を目指して,本書初版を刊行した.
 その間に薬学教育に求められる内容について見直され,平成25年に『薬学教育モデル・コアカリキュラム改訂版』が出来上がった.この改訂版の中では,「A-(1)薬剤師の使命」の一般目標として,「医療と薬学の歴史を認識するとともに,国民の健康管理,医療安全,薬害防止における役割を理解し,薬剤師としての使命感を身につける」ことが明記され,「A-(1)-③患者安全と薬害の防止」の項目が新たに設定された.また,「E 医療薬学」の範囲では,全体を通じて「医薬品の安全性」に注目し,副作用とその対処法,安全性の研究で重要な観察研究の手法などについても追加され,その内容を充実させた.また,薬学生が卒業時までに到達するべき目標として,「薬剤師としての心構え」や「患者・生活者本位の視点」をはじめとする10の項目の「薬剤師として求められる基本的な資質」が新たに制定された.「薬剤師としての心構え」とは,医療の担い手として,豊かな人間性と,生命の尊厳について深い認識をもち,薬剤師の義務および法令を遵守するとともに,人の命と健康な生活を守る使命感,責任感および倫理観を有するというものであり,「患者・生活者本位の視点」とは,患者の人権を尊重し,患者およびその家族の秘密を守り,常に患者・生活者の立場に立って,これらの人々の安全と利益を優先するというものである.すなわち,これからの薬剤師は薬害防止・医療安全を担う立場として,このような資質を備えていなくてはならないことが明言されている.
 平成22年4月の厚生労働省による『薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて』の最終提言などを背景として,現在では薬害教育は薬系大学のみならず,他の医療系大学,中学,高校などの教育現場においても行われるようになっている.また,最近でもヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンによる有害事象が社会的にも大きく問題視されたように,薬害や医療安全に対する社会的関心はますます高まっている.こうした状況の中,薬害教育をめぐる環境は大きく変化しており,今後も薬害教育を充実,向上していくことが社会的に大きく期待されている.
 このように薬害・医療安全教育がさらに重要視された新『薬学教育モデル・コアカリキュラム』にあわせて薬害・副作用の防止に対する要望に応えるための薬学教育に適する書籍として,本書の内容の充実を目指して改訂を行うに至った.全体を通して,本書では理解しやすいようにできる限り図表を多く用いているが,その図表に簡潔な説明を加えてより理解しやすい内容になるように努めるとともに,各項目での内容をより豊富なものにした.具体的には,第1章の「薬害の歴史的変遷」をはじめとする医薬品と副作用についての基礎的知識に関して,解説の充実を図った.また,第2章「臓器における代表的副作用」では,過敏症など新たな副作用を追加するとともに分類を改めて,その内容を理解しやすいものにした.そして,第3章「薬剤による副作用」では新薬に関する情報を追加し,内容を充実させた.
 本書が今後の医薬品の安全使用に貢献する書として,薬学生のみならず,医療従事者を目指すもの,あるいは薬害に関心のある方々の理解に少しでも有益となることを願ってやまない.
 最後に,本書の改訂にあたり,多大なご尽力をいただきました南山堂 編集部 須田幸司 様,根本英一『薬局』編集長および関係諸氏に心よりお礼申し上げます.

2017年7月
川西 正祐

目次

1章 総論
1 薬害の歴史的変遷
 Ⅰ 薬害とは
 Ⅱ ペニシリンによるアナフィラキシーショック死(ペニシリン事件)
 Ⅲ サリドマイドによる胎児先天異常(サリドマイド事件)
 Ⅳ クロロキンによる網膜症(クロロキン事件)
 Ⅴ キノホルムによるスモン(スモン事件)
 Ⅵ 非加熱血液製剤によるHIV 感染症(薬害エイズ事件)
 Ⅶ フィブリノゲン製剤によるC型肝炎(薬害C型肝炎事件)
 Ⅷ ソリブジンとフルオロウラシルとの相互作用(ソリブジン事件)
 Ⅸ ヒト乾燥硬膜によるクロイツフェルト・ヤコブ病(医原性CJD 事件)
 Ⅹ ゲフィチニブによる間質性肺炎(イレッサ事件)
 Ⅺ ワクチンによる有害事象(予防接種禍事件)
2 医薬品の安全評価
3 副作用の種類と発症のメカニズム
 Ⅰ 薬物中毒
 Ⅱ 薬物アレルギー
 Ⅲ 発がん性
 Ⅳ 催奇形性(胎児毒性)
 Ⅴ 薬物依存
 Ⅵ 薬物耐性
4 薬物相互作用
 Ⅰ 薬物動態学的相互作用
 Ⅱ 薬力学的相互作用
5 副作用発現に影響を及ぼす要因
 Ⅰ 個人的素因(トキシコゲノミクス)
 Ⅱ 後天的要因

2章 臓器における代表的副作用
1 薬剤に対する過敏症
2 薬剤性血液障害
3 薬剤性腎・泌尿器・生殖器障害
4 薬剤性精神障害
5 薬剤性神経障害
6 薬剤性循環器障害
7 薬剤性消化器障害
8 薬剤性肝胆膵障害
9 薬剤性呼吸器障害
10 薬剤性内分泌障害
11 薬剤性感覚器障害
12 薬剤性皮膚障害
13 薬剤性筋・骨格障害


3章 薬剤による副作用
1 中枢神経系に作用する薬
2 自律神経系に作用する薬
3 知覚神経系・運動神経系に作用する薬
4 循環器系に作用する薬① 心・血管系用薬
5 循環器系に作用する薬② 降圧薬
6 呼吸器系に作用する薬
7 内分泌系に作用する薬
8 消化器系に作用する薬
9 血液・造血器系に作用する薬
10 代謝系に作用する薬
11 炎症・アレルギーに作用する薬
12 抗悪性腫瘍薬
13 抗菌薬
14 抗ウイルス薬
15 抗真菌薬,抗原虫・寄生虫薬
16 漢方薬,健康食品