書籍カテゴリー:基礎薬学|臨床薬学

ファーマシューティカルケアのための医療コミュニケーション
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ファーマシューティカルケアのための医療コミュニケーション

1版

  • 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会 監修
  • 東京理科大学薬学部教授 後藤惠子 編集
  • 帝京平成大学薬学部教授 井手口直子 編集

定価:3,850円(本体3,500円+税10%)

  • B5判 286頁
  • 2014年4月 発行
  • ISBN978-4-525-70451-3

概要

薬剤師として患者や医療従事者へどのようなコミュニケーションを図るかを実践的に解説した教科書.“学会が推奨する医療コミュニケーションの講義”をコンセプトとし,コミュニケーションの基礎知識からがんや精神疾患などの患者別,薬局・在宅・病棟等の場面別での具体的な対応法をケーススタディを通じて学ぶことのできる内容となっている.

序文

薬剤師に求められる役割が大きく変化している.病院においてはさまざまな分野の専門薬剤師が誕生し,薬局においてはプライマリ・ケアから在宅における薬剤管理指導までがその守備範囲となり,地域に密着した健康情報の拠点としても期待されている.これらいずれの場においても,薬学的専門性を発揮しアウトカムを創出するには,コミュニケーション力が不可欠であることは言うまでもない.顔が見えないといわれた薬剤師だが,たんに顔が見えるだけではなく,一人ひとりが患者からも他職種からも親しく名前で呼ばれるような関わりが求められている.
 本書の前身として『 Pharmaceutical Communication』は,薬剤師養成教育6年制の導入とともに医療コミュニケーション分野のスタンダードな教科書としておおいに受け入れられてきたが,こうした背景を受けて本書は全面的に解説内容を刷新し,発刊する運びとなった.本書は自己理解,基本的なコミュニケーション技法を基礎編とし,患者理解,臨床現場でのコミュニケーション技法を臨床編とした2章構成となっている.いずれも「なぜ,薬剤師にとってコミュニケーションが重要か?」という問いかけから始まり,チーム医療,医療職としての倫理観の涵養,多様性の受容などが重要なキーワードとなっている.
 臨床編では,がん,精神疾患,生活習慣病など各疾患治療や臨床試験,在宅や病棟業務におけるチーム医療の場面で,どのような表現・言葉づかいでコミュニケーションを図るのが望ましいのかを具体的に解説した実践的な内容となっており,さらに学びを深めるためにSGDや模擬患者・模擬医師等とのロールプレイング用の課題を提示している.
 36に及ぶ目次項目は2015年度より実施される新しい薬学教育モデル・コアカリキュラムの内容を含みつつ,それ以上に充実した目次立てとなっている.1つの目次項目が講義の1コマに該当するような解説内容・分量であり,大学の講義方針に合わせて選んで活用していただくことができる.また,日々の臨床場面における,自己のコミュニケーション能力を向上させるだけではなく,理論的裏付けを学び直す上でも格好の研修教材としてご活用いただけるであろう.ぜひ,本書を活用し,患者本位の医療の実現に寄与していただければ幸いである.

2014年3月
編者を代表して
後藤 惠子

目次

1章 基礎編

Ⅰ 社会における薬剤師の役割
1.社会で薬剤師が果たす役割の変遷とコミュニケーション能力の向上
2.なぜ,コミュニケーションは重要か?

Ⅱ コミュニケーションの基礎
3.自己概念と対人認知
4.性格特性を知る─交流分析とエゴグラム─
5.自己の確立─発達段階とその課題─
6.対人関係に影響を及ぼす心理学的要因
7.言語・非言語コミュニケーション
8.接遇の基本
9.コミュニケーションスキルの基礎—①質問
10.コミュニケーションスキルの基礎—②聞く・聴く

Ⅲ コミュニケーションスキルの活用
11.チームビルディング
12.自他尊重のコミュニケーション─自分も相手も生かすコミュニケーションとは?─

Ⅳ 多様性の受容
13.医療における倫理問題
14.価値観の多様性
15.ストレス


2章 臨床編
Ⅰ ファーマシューティカルコミュニケーション
1.なぜ,薬剤師にコミュニケーションは重要か?
2.病いと疾病─患者・薬剤師の解釈モデル─
3.患者情報を得るためのコミュニケーション(一般用医薬品)
4.患者の思いに寄り添うコミュニケーション
5.患者を理解するための評価尺度
6.医薬品情報を伝えるためのコミュニケーション
7.副作用症状の聴取
8.セルフケアの支援に向けて
9.倫理的葛藤とコミュニケーション

Ⅱ 患者理解
10.生活習慣病患者
11.がん患者
12.精神疾患患者
13.高齢者
14.臨床試験の同意説明─治療(診療)と研究の違いをどう説明するか?─
15.クレームマネジメント

Ⅲ 他職種とのコミュニケーション
16.患者本位の医療を目指して─多職種との討議─
17.在宅チームでのコミュニケーション
18.病棟チーム(NSTなど)でのコミュニケーション
19.救急・災害医療でのコミュニケーション
20.統合型学習による臨床コミュニケーション・トレーニング
─ファーマシューティカル・ケアプラン作成を志向したプログラムを例に─
21 キャリアプランニング


ロールプレイ用シナリオ集
1.副作用症状をどう聴取するか?
2.疾患の報告義務と守秘義務とが対立した場合はどのように対応するか?
3.検査データをどう伝えるか?
4.抗がん剤の服用に不安を感じている患者の服薬を支援できるか?
5.退院後も納得して服用を継続してもらえる対応ができるか?
6.どうして血圧はあがったのか?
7.治療と研究の違いをどう伝えるか?
8.クレームへの適切な対応法とは?
9.在宅チームで実際どのようにコミュニケーションを取っていくか?
10.場面に合わせた対応を行うためにはどうするか?
11.意識のない傷病者情報をどのように収集してスタッフに伝えるか?
12.どのように患者へのケアプランを作成するか?