書籍カテゴリー:栄養学|臨床薬学

特定保健用食品データブック
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特定保健用食品データブック
はじめてのトクホ臨床試験収載BOOK

1版

  •  国立健康・栄養研究所 監修

定価:3,780円(本体3,500円+税8%)

  • B6判 282頁
  • 2008年8月 発行
  • ISBN978-4-525-63601-2

概要

特定保健用食品(トクホ)の許可品目は年々増えており,病院・薬局・その他販売店でその効果や摂取方法等を相談されることは日常的だが,商品情報の開示は不十分で,対応に苦慮することも多い.本書は実売のトクホについて,商品概要・関与成分の作用機序・効果的な摂取方法・注意点・よくある質問などをまとめ,さらに臨床試験結果を示した.医師・看護師・薬剤師・栄養士・健康食品のアドバイザーにおすすめの一冊.

序文

既知の栄養素としての機能を上回る効能を発揮する食品を「機能性食品」とよぶことに国際的コンセンサスができあがりつつある.厚生労働省では効能がヒトの臨床試験で証明されたものに対して保健機能を表示してよいとする「特定保健用食品」なる枠をつくった.現在,特定保健用食品の許可件数は700を超えるが,大部分は整腸作用や血圧低下,血糖上昇抑制,虫歯予防などで,「健康日本21」の疾病予防に対応して市場に出回っているものが多い.また,効能の表示方法は決められていて,「×××が気になる方へ」という書き方が多く,消費者にとってわかりやすいものではない.たとえ明らかな疾病予防効果があっても,そのように表示できない.生理的必要量を上回る量の摂取で一定の健康への効果が現れる場合,また栄養素と言われていないポリフェロールなどの摂取と健康影響に関することなどは従来の栄養学の枠外のことであり,いわば「機能栄養学」の概念整理と哲学の確立が必要である.
食品の法的枠組みには薬事法との間に厳格な食薬区分がある.一方では健康食品と謳いながら食品衛生法による製造工程の管理しかしていないものもあるので注意が必要である.本書で扱っている特定保健用食品は,厚生労働省により商品ごとにその有効性・安全性を審査しているので,一定の信頼をおくことができるが,将来的には薬品と通常食品の間に「機能食品」あるいは「医用食品」というような枠をもうけ,効能効果を明示できるようにすれば消費者に正しい情報を伝えられ,企業もあいまいな製品をつくれなくなり,製造者責任も明確になると思われる.
特に医療の場で混合診療が可能になると,機能食品の抽出物や精製物によるサプリメントの処方が明確になろう.相互作用は薬品の吸収過程,代謝過程,体内への分布過程,排泄過程などさまざまな時点で起こりうるが,現在ではそれらが明確になっている機能性成分はほとんどない.これはヒトにおける研究がない,あっても少人数で短期間なため結果が出にくい,疫学的デザインが不適当などの理由による.ヒト臨床試験の普及や,最終的な健康影響評価を推測させるような生体指標の開発など研究の余地が多い.
上記のように,現行の機能性食品に関する制度や環境は十分とは言えないが,実際に医療従事者が患者・消費者からアドバイスを求められる場面は増加していると思われる.当研究所認定のNR(栄養情報担当者)はまさにそのような場面に対応できる健康食品のスペシャリストであるが,正しいアドバイスを行うためには,その成分や商品の詳しい情報入手が必須である.
本書は個々の特定保健用食品について,臨床試験結果をはじめ詳細な情報が掲載されている.エビデンスに基づいた科学的知見を理解し,患者・消費者にとって分かりやすく適切なアドバイスをするためにぜひご活用いただきたい.
最後に,本書の出版にあたっては,多くの方々にご協力をいただいた.関係各位に深謝申し上げる.


2008年6月
国立健康・栄養研究所 理事長
渡邊 昌



目次

総論

1. 保健機能食品制度
 A. 医薬品と食品の違いと区分
  1. 医薬品と食品の違い
  2. 食品の分類
 B. 保健機能食品
  1. 栄養機能食品
  2. 特定保健用食品
  3. 栄養機能食品・特定保健用食品・「いわゆる健康食品」の違い
 C. 特定保健用食品
  1. 申請から許可までのプロセス
  2. 類型
  3. 保健の用途の表示
  4. 適切な利用法
  5. 利用にあたっての注意点

2. 「健康食品」の信頼性
 A. 医療・保健分野における情報の科学的根拠(エビデンス)
  1. ステップ1:具体的な研究にもとづいているか?
  2. ステップ2:研究対象はヒトか?
  3. ステップ3:専門誌で論文報告されているか?
  4. ステップ4:信頼度の高い研究デザインか?
  5. ステップ5:複数の研究で支持されているか?
 B. 健康食品を選ぶときの注意点
 C. 健康食品情報を調べるときの注意点

3. 主な関与成分の作用機序
A.  血糖値が気になり始めた方の食品に含まれる関与成分
  1. 難消化性デキストリン
  2. 小麦アルブミン
  3. グァバ葉ポリフェノール
 B. 血圧が高めの方の食品に含まれる関与成分
  1. サーデンペプチド(バリルチロシンとして)
  2. ラクトトリペプチド
  3. 酢酸
  4. わかめペプチド
  5. イソロイシルチロシン
  6. 杜仲茶配糖体(ゲニポシド酸)
  7. γ-アミノ酪酸(GABA)
  8. 海苔オリゴペプチド(ノリペンタペプチド:AKYSYとして)
  9. ゴマペプチド(LVYとして)
 C. コレステロールが高めの方の食品に含まれる関与成分
  1. サイリウム種皮由来の食物繊維
  2. キトサン
  3. 大豆蛋白質
  4. リン脂質結合大豆ペプチド(CSPHP)
  5. 低分子化アルギン酸ナトリウム(DSA)
  6. 茶カテキン
  7. 植物(性)ステロール
  8. 植物ステロールエステル
 D. 血中中性脂肪,体脂肪が気になる方の食品に含まれる関与成分
  1. コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビオースとして)
  2. 茶カテキン
  3. グロビン蛋白分解物(Val-Val-Try-Proとして)
  4. ジアシルグリセロール
  5. 中鎖脂肪酸
  6. ウーロン茶重合ポリフェノール
  7. ドコサヘキサエン酸(DHA)・エイコサペンタエン酸(EPA)
  8. ベータコングリシニン
E.  ミネラルの吸収を助ける食品&骨の健康が気になる方の食品に含まれる関与成分
  1. 乳果オリゴ糖
  2. フラクトオリゴ糖
  3. カルシウム
  4. CPP(カゼインホスホペプチド)
  5. ビタミンK2
  6. CCM(クエン酸リンゴ酸カルシウム)
 F. おなかの調子を整える食品に含まれる関与成分
  1. 難消化性デキストリン
  2. サイリウム種皮由来の食物繊維
  3. 乳果オリゴ糖
  4. 乳酸菌
  5. コーヒー豆マンノオリゴ糖(マンノビオースとして)
  6. フラクトオリゴ糖
  7. ガラクトオリゴ糖
  8. 小麦ふすま由来の食物繊維
  9. プロピオン酸菌による乳性発酵物(DHNAとして)
  10. ポリデキストロース
 G. 虫歯の原因になりにくい食品&歯を丈夫で健康にする食品に含まれる関与成分
  1. 糖アルコール(キシリトールなど)・フクロノリ抽出物・リン酸-水素カルシウム
  2. CCP-ACP(乳たんぱく分解物)
  3. リン酸化オリゴ糖カルシウム(Pos-Ca)

各論

各論のお読みになる前に
血糖値が気になり始めた方の食品
血圧が高めの方の食品
コレステロールが高めの方の食品
血中中性脂肪,体脂肪が気になる方の食品
ミネラルの吸収を助ける&骨の健康が気になる方の食品
おなかの調子を整える食品
虫歯の原因になりにくい&歯を丈夫で健康にする食品