書籍カテゴリー:内科学一般|栄養学

臨床栄養医学
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臨床栄養医学

1版

  • 日本臨床栄養学会 監

定価:9,720円(本体9,000円+税8%)

  • B5判 727頁
  • 2009年10月 発行
  • ISBN978-4-525-63351-6

概要

栄養と代謝の関係に基づいた栄養療法・指導の根幹的知識を,第一線の著者によりまとめた成書.可能な限りエビデンスに基づき,特にメタボリックシンドロームなど生活習慣病の予防~未病者の改善を目指している.また本書の理解に必要な栄養の基礎知識も解説している.医師・医学生はもちろん,管理栄養士など栄養に関わる方々にお薦めする.

序文

人の健康維持・増進から疾病予防・治療にわたり,栄養は基盤となるものである.疾病の治療のみならず,人体の構造機能の専門家でもある医師は,もっと栄養に関心を持つことが求められている.治療医学においては,医師が中心となり医療チームが作られているが,そのなかでも栄養療法を看過することは出来ないことは明らかである.手術療法,薬物療法をする場合でも,栄養不良状態では治療効果が低下することになる.また疾病の予防・治療の中心となっている医師に栄養の知識が乏しい状態では,医療チームの機能が低下する恐れが大きくなると思われる.
生活習慣病対策においてメタボリックシンドロームなど,予防医学の重要性が認識されるようになってきた.このような疾病予防の段階では,さらに栄養の関与が大きいと考えられ,栄養面からの対策が必要であることは明らかである.
そこで日本臨床栄養学会では,医師向けの臨床栄養学のテキストを作成することを企画し,日本臨床栄養学会内にテキストブック編纂委員会を立ち上げた.臨床栄養学として習得すべき必要項目を検討し,日本を代表する臨床栄養の諸分野の専門家に執筆をお願いした.臨床栄養テキストブック編纂委員会では,執筆された原稿の査読をして調整を行った.このため,本書の出版予定が大幅に遅れて,多くの方にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げる.
本書では人間栄養学の基礎から,諸臓器の特異な臓器栄養について取り上げるとともに,栄養と関連の深い疾病に関する臨床栄養について記述をお願いした.栄養療法では個人対応の栄養が重要であり,そのための栄養評価のありかたから,その実践に必要な知識と研究の推進が求められている.さらに臨床栄養に関する疫学や政策についても知っておくべき項目と考えた.臨床栄養学のエビデンスを中心に執筆をお願いしており,本書は臨床栄養学の最新の水準を表わしていると考えている.
これからは医科系大学において,栄養学の教育が推進されることが望まれる.本書が医学教育の場でも役立つとともに,臨床栄養領域の生涯教育においても役立つことを念願している. 臨床栄養学の分野にとどまらず, 諸分野のかたがたからの忌憚のないご意見,ご批判をいただき, また臨床栄養学の進歩を取り入れて改訂を重ねていき,なおいっそう読者諸氏に役立つように努めていきたいと考えている.
本書の出版にあたっては,南山堂の山田留奈氏をはじめ編集,制作担当の皆さんのご尽力に負うところが,たいへん大きいことを記して感謝申し上げる.


2009年8月
日本臨床栄養学会理事長
テキスト編纂委員会委員長
板倉弘重



目次

I.臨床栄養医学を理解するために

1.人体栄養のアセスメントとプランニング
 A.人体組成
 B.栄養状態の評価
 C.エネルギー設定法
 D.栄養素別栄養療法
2.栄養経路
 A.経腸栄養法
 B.経静脈栄養法
3.食物の摂食にかかわる生理機能
 A.消化概説
 B.味覚
 C.食欲調節
 D.咀嚼・嚥下
 E.消化管の内分泌
 F.腸管機能
4.栄養素の吸収・代謝・異化
 A.蛋白質とアミノ酸
 B.炭水化物
 C.脂質
 D.水・電解質・酸塩基平衡
 E.ビタミン
 F.無機質(ミネラル)
 G.微量元素
 H.アルコール
5.臓器系栄養学
 A.心・血管系(心筋および血管の栄養)
 B.代謝系(脂肪組織の栄養)
 C.消化器系(胃腸および肝臓の栄養)
 D.骨格・筋肉系(骨および筋肉の栄養)
 E.神経系(脳・神経の栄養)
 F.免疫系(免疫と栄養)
 G.皮膚系(皮膚の機能と栄養)
6.ライフステージ別の栄養
 A.妊娠期
 B.授乳期
 C.乳幼児期,学童期
 D.思春期
 E.成人・壮年期
 F.高齢期
7.日本における健康障害の栄養・食料的背景
 A.国民栄養と予防医学の流れ
 B.保健政策の歴史と栄養問題
 C.食料自給率・欠食率・外食率
 D.国民医療費と栄養

II.疾患の治療・予防に関する臨床栄養医学

1.循環器系疾患の臨床栄養医学
 A.心・血管系疾患
 B.脳血管障害(脳卒中)
 C.高血圧
2.代謝系疾患の臨床栄養医学
 A.糖尿病
 B.脂質異常症
 C.肥満症
 D.メタボリックシンドローム
 E.高尿酸血症・痛風
 F.アルコール性身体疾患
 G.低栄養
3.消化器系疾患の臨床栄養医学
 ―胃腸疾患―
 A.便秘症・下痢症
 B.胃食道逆流症
 C.胃・十二指腸潰瘍
 D.過敏性腸疾患
 E.蛋白漏出性胃腸症
 F.潰瘍性大腸炎
 G.クローン病
 ―肝・胆道疾患―
 H.胆石症
 I.脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎
 J.急性肝炎
 K.慢性肝炎
 L.肝硬変・慢性肝不全
 ―膵疾患―
 M.膵炎
 ―腎疾患―
 N.ネフローゼ症候群
 O.腎炎
 P.腎不全
 Q.透析
4.血液系疾患の臨床栄養医学
 A.貧血
 B.白血病
 C.造血幹細胞移植(骨髄移植,BMT)
5.呼吸器系疾患の臨床栄養医学
 A.慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 B.急性呼吸促迫症候群(ARDS)
 C.睡眠時無呼吸症候群(SAS)
6.内分泌系疾患の臨床栄養医学
 A.下垂体疾患
 B.甲状腺疾患
 C.副腎疾患
7.骨格・筋肉系疾患の臨床栄養医学
 A.骨粗鬆症
 B.Sarcopenia
8.神経系疾患の臨床栄養医学
 A.認知症
 B.変性疾患
 C.嚥下障害
9.免疫・感染・アレルギー疾患の臨床栄養医学
 A.食物アレルギー
 B.HIV感染症・後天性免疫不全症候群
 C.関節リウマチ
10.悪性腫瘍(癌)の臨床栄養医学
 A.癌の予防食
 B.担癌患者の栄養管理
11.外科疾患の臨床栄養医学
 A.術前・術後
 B.外傷・熱傷
 C.重症感染症・敗血症
 D.肝移植
 E.腎移植
12.小児科疾患の臨床栄養医学
 A.低出生体重児
 B.乳児の遷延性(慢性)下痢症
 C.重症心身障害児
 D.小児の肥満症
 E.先天代謝異常
13.産婦人科疾患の臨床栄養医学
 A.妊産婦の体重変化・食事摂取基準・必要な栄養
 B.妊娠合併症
 C.更年期障害
 D.婦人科系悪性腫瘍
14.皮膚科疾患の臨床栄養医学
 A.皮膚の老化
 B.アトピー性皮膚炎
 C.褥瘡
15.眼科疾患の臨床栄養医学
 A.眼精疲労
 B.白内障
 C.加齢黄斑変性症
 D.緑内障
 E.糖尿病網膜症
16.精神科疾患の臨床栄養医学
 A.うつ状態
 B.不安
 C.睡眠障害
 D.摂食障害
 E.思春期やせ症
 F.アルコール依存症
17.泌尿器科疾患の臨床栄養医学
 A.尿路結石症
 B.前立腺肥大症
 C.前立腺癌
 D.膀胱癌
18.歯科疾患の臨床栄養医学
 A.予防歯科
 B.歯周病
19.NSTにおける臨床栄養医学
 A.わが国のNSTの現状と問題点
 B.急性期におけるNST
 C.慢性期におけるNST
20.居宅栄養における臨床栄養医学
21.要介護者の臨床栄養医学
 A.栄養と介護予防
 B.要介護者の栄養
22.ターミナルケアにおける臨床栄養医学

III.臨床栄養医学にかかわる食品・政策・情報

1.食品制度
 A.栄養表示
 B.食の安全
 C.食薬区分
 D.保健機能食品と特別用途食品
 E.サプリメント
2.食事・食品・栄養素と薬物との相互作用
3.日本および諸外国の栄養政策
 A.食事摂取基準と食事バランスガイド
 B.国際的な食生活指針
 C.世界の病院食
4.これからの栄養学トピックス
 A.運動栄養
 B.テーラーメイド栄養
 C.アンチエイジング栄養

付.「日本人の食事摂取基準(2010年版)」(抜粋)