南山堂

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カテゴリー: 栄養学

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マニュアルシリーズ

食事調査マニュアル

はじめの一歩から実践・応用まで

改訂3版

特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 監修

定価

3,080(本体 2,800円 +税10%)


  • A4判  213頁
  • 2016年6月 発行
  • ISBN 978-4-525-63333-2

管理栄養士としておさえておきたい食事調査法を,これ1冊で!!

第Ⅰ部で食事調査法の概要を示し,第Ⅱ部で食事記録法,24時間思い出し法,食物摂取頻度調査法を中心に解説,第Ⅲ部では食品番号表などの資料を掲載.今改訂では撮影画像を利用した食事調査法の追加など,内容の更新を行った.学生のみならず現場で働く管理栄養士・栄養士の必携書.「食物摂取頻度調査法ソフト」などを収載したCD-ROM付き.

食事調査マニュアル改訂3版 追補冊子

  • 序文
  • 目次
序文
 食事調査マニュアルの初版は,日本栄養改善学会創立50 周年記念事業の一環として2005 年に刊行されたが,3 年後に早くも新しい情報を加えて改訂2 版の刊行に至っている.この度,8 年の年月を経て改訂3 版が刊行される運びとなり,編者らは日本栄養改善学会創立60 周年記念として取り組むこととした.
 食事調査の困難性は,食事調査を実際担当した者でなければ理解できない.一般的な書物では,各種の食事調査方法の概要解説にとどまっているので,実践となればどのように準備し,どのように調査し,どのようにデータを取り扱うかがわからない.本書は初版時より食事調査の初心者からベテランまでが,調査の企画段階から結果をまとめ報告をするまで,手元において活用できる便利なマニュアルとして企画されたが,新しい情報を加えた今回の改訂により,利便性はさらに進化した.
 食事記録法,24 時間思い出し法,食物摂取頻度調査法には誤差とバイアスが存在する.今回の改訂の背景に,これらの誤差やバイアスを小さくできる可能性がある2 つの潮流があった.1 つ目は日本食品標準成分表2015 年版(七訂)の公表,2 つ目は近年における画像技術の進歩とコンピュータによる調査の自動化という,テクノロジーの進化を伝統的な食事調査法が取り入れつつあることである.
 日本食品標準成分表は,収載食品数が増えたことによりこれまで未収載の食品を他の食品で読み替えていたことによる誤差が小さくなることが期待できる.食事調査にとって食品の有用なデータベースが進化し続けることは朗報である.
 海外ではウェブサイトを利用した24 時間思い出し法の自動化の検討や,画像テクノロジーを利用した食事記録法・24 時間思い出し法の検討が進んでいる.現段階では少人数の研究が多く,本格的な妥当性研究が必要とされている.わが国においては,画像テクノロジーを効果的に食事調査に利用するには,料理の栄養成分値のデータベース化が必須である.多数の研究者が連携することにより,日本各地の料理データベースの蓄積が進むことを期待したい.次回の改訂では,画像利用の食事調査法が広く利用でき,誤差が少なく調査対象者,調査者ともに負担が軽減できる食事調査法として紹介したいものである.
 最後に,今回の改訂に際して大変お世話になった南山堂編集部の関係諸氏に感謝申し上げる.

2016年 5月
編者を代表して 
兵庫県立大学 環境人間学部
伊達ちぐさ
目次
Ⅰ食事調査の基礎知識

1 食事調査法の概要
 ①食事記録法:秤量記録法,目安量記録法,写真記録法Dietary Records(DRs)
 ② 24 時間思い出し法24-Hour Dietary Recall
 ③食物摂取頻度調査法Food Frequency Questionnaire(FFQ)
 ④食事歴法Dietary History
 ⑤ まとめ

2 食事調査を開始する前に考えておくこと
 ① 調査地区および調査対象者の選定
  a 調査地区および調査対象者の抽出方法
  b 調査対象者の名簿作成とその管理
  c 調査対象者への調査協力についての説明と同意(インフォームド・コンセント)
 ② 調査実施前の準備
  a 背 景
  b 調査実施者(実施主体)に求められる事項
  c 調査実施者(調査員)に求められる事項

3 栄養素等摂取量算出のためのデータベース
 ① 食品データベースとしての日本食品標準成分表
 ② 料理・複合調味料・標準的な味付けのデータベース化
 ③ 食品データベースに登録されていない食品が出現した場合の対応

4 食事摂取基準(DRIs)による摂取量の評価
 ① 基本情報の把握
 ② DRIs の基本的な考え方
  a 推定平均必要量(EAR)および推奨量(RDA)が示されている栄養素の場合
  b 推定平均必要量(EAR)が設定されずに,目安量(AI)が示されている栄養素の場合
  c 目標量(DG)および耐容上限量(UL)の考え方
  d エネルギー
 ③ 個人を対象とした食事調査データの解釈
 ④ 集団を対象とした食事調査データの解釈

5 結果の集計・解析方法
 ① 調査票,コンピュータ入力データの過誤チェック
 ② 栄養価計算ソフトウェアなどで算出されたデータの過誤チェック
  a 人数の確認
  b 最大値,最小値の確認
 ● COLUMN ● 食事調査結果の比較性について

6 結果の解釈
 ① 食事の変動
  a 結果を個人単位で考える
  b 結果を集団単位で考える
 ② 習慣的摂取量分布推定のための統計モデル
  a National Research Council(NRC)法
  b Best-Power(BP)法
  c その他の方法
 ③ エネルギー調整
  a 栄養素密度
  b 残差法
  c 多変量解析
 ④ データ解析
  a 基本統計量を求める
  b 2 つの要因の関連を検討する
  c 交絡因子を考慮する
 ⑤わが国における食品データベース高度化への取り組み事例
  a INTERMAP 研究での取り組み
  b 国民健康・栄養調査(国民栄養調査)での取り組み



Ⅱ 食事調査の実際

A 食事記録法Dietary Records
 ① データの収集・処理の実際
  a 食事調査の実施にあたっての調査対象者への説明
  b 調査対象者への確認面接〜調査対象者の食物摂取状況を正確に把握するための具体的技能〜
  c 調査票の整理とコード付け
  d 調査データの入力
 ● COLUMN ● 食事記録調査に便利なツール

 ② データの収集・処理にあたって留意すべき点
  a 適切な食品番号の選択
 ● COLUMN ● 食事調査の朝昼夕の区分

  b 食品重量について
 
 ● COLUMN ● 標準成分表の資料と備考は,熟読しよう

  c 調理による変化の捉え方
  d コード付けの判断困難事例の処理方法
  e 入力データのチェック

B 24時間思い出し法24-Hour Dietary Recall
 ① 調査の具体的な進め方(1)—市町村事業レベルでの実施を想定して—
  a 近年の市町村保健事業に関連する保健システムの変化
  b 事前の準備
  c 実施時の注意
  d 調査後の処理
  e 24 時間思い出し法の新しい方法〜画像を補助的に用いる食事評価法〜Image-Assisted Dietary Assessment
 ● COLUMN ● ウェアラブルデバイスを使用する際の倫理的な配慮の必要性

 ● COLUMN ● 画像を補助的に用いる新しい食事評価法の実際例

 ② 調査の具体的な進め方(2)—厳格な精度管理が行われた国際共同研究を例として—
  a 調査手技の標準化とそれを徹底するための取り組み(研修)
  b 面接手順
  c 調査に用いるツールとその活用
  d 関連調査の実施
  e 問い合わせによる情報収集
  f 適切な調査を実施するための留意点
  g 栄養素等摂取量の算出方法

 ③ 米国における自動化された被験者の自己管理による24 時間食事思い出し法
  a 自動化された自己管理による24 時間食事思い出し法が開発された背景と特徴
  b ASA24 による調査の流れ
  C 食物摂取頻度調査法Food Frequency Questionnaire(FFQ)
 ① 半定量食物摂取頻度調査票(SQFFQ)の開発
  a 食品リスト
  b 摂取頻度(Frequency)
  c 目安量(Portion Size)
  d 食品成分表
  e 供給率法と重回帰法の比較
  f 栄養疫学における栄養素摂取量の総エネルギー摂取量による補正
 ② SQFFQ の妥当性と再現性
 ③ わが国の食物摂取頻度調査票
 ④ SQFFQ の実際
  a 調査票の選択
  b データの収集の方法
  c データの処理
 ⑤ SQFFQ と個人の栄養教育


Ⅲ 資料編


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