書籍カテゴリー:栄養学

応用栄養学
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応用栄養学

2010年 改訂7版

  • 駒沢女子短期大学名誉教授 寺田和子 著
  • 淑徳短期大学教授 保屋野美智子 著
  • 実践女子短期大学教授 山本初子 著
  • 常磐短期大学教授 中原経子 著
  • 元日本女子大学教授 飯塚美和子 著
  • 筑波大学大学院准教授 麻見直美 著
  • 十文字学園女子大学准教授 小林三智子 著
  • 駒沢女子大学講師 三浦麻子 著

定価:2,808円(本体2,600円+税8%)

  • B5判 276頁
  • ISBN978-4-525-63287-8

2006年度施行「新・管理栄養士国家試験ガイドライン」に準拠し,改訂7版では「日本人の食事摂取基準(2010年版)」による栄養状態の評価も更新! 姉妹書である「基礎栄養学」で学んだ栄養に関する知識を基礎とし,各ライフステージにおける,特性,栄養摂取との関連や評価,栄養上の問題点を具体的に解説した.

序文

 わが国は急速なスピードで,少子・高齢化が進み,1994 年に高齢社会になり,2007 年には超高齢社会となった.2009 年の日本人の平均寿命は,男性は 79.29 歳,女性は 86.05 歳(世界 1 位)であり,高齢者人口も 22.1%(2008 年)に至っている.しかし健康寿命は男性は 72.3 歳,女性は 77.7 歳(世界 1 位,2003 年 WHO)であり,健康寿命と平均寿命の格差は大きい.健康寿命を延ばし,両者の差を縮めるためにはどうすればよいのかを学ぶのが応用栄養学であるともいえる.高齢になると生活習慣病に罹患する者は多いが,近年は高齢者に限らず,若年層の人々にも多くみられるようになった.低年齢層にシフトしているのみでなく,成人病胎児期発症説でいわれるように,母体の胎児環境が遺伝因子にも影響を与え,生活習慣病発症に深く関与していることがわかってきた.
 少子・高齢化を考える時,少子化をストップさせ,より健康な多くの子どもを産み育てる社会を作り,健康寿命を延ばし,やがて訪れる高齢期を健康で,生きがいのある生活が送れるように栄養学を学んでほしい.
 以上をふまえ,本書「応用栄養学」改訂 7 版では,「基礎栄養学」で学んだ栄養素に関する知識を基礎として,日本人の食事摂取基準(2010 年版)の考え方を十分理解し,ライフステージの変化に伴う身体状況や栄養状態に対応した栄養管理(マネージメント)の考え方や方法を学習することを目的とする.
 そのために,人が誕生してから一生を終えるまでの,妊娠や発育,加齢などに伴う人体の構造や機能の特徴を学んだ上で,対象者の栄養補給のあり方を十分に学習する.さらに栄養関連の病態,疾患の概要,栄養状態の評価判定(アセスメント),栄養ケアのあり方を学習する.また,健康維持・増進および疾病予防のために,栄養素の機能や補給法を学ぶことにより,健康に及ぼす種々のリスクに対する管理についての基本的な考え方や方法を学んでいく.
 本書は,栄養士,管理栄養士がプロとして,栄養マネージメントの考え方ができること,ライフステージごとに身体および精神の両面からの特性を理解して,各期の実際の食生活に展開できるように編集執筆をした.なお,栄養士,管理栄養士の「応用栄養学」として,国家試験対策にも十分に役立つ書と考える.
 利用してくださる方からのご指摘,ご指導をいただきながら,今後さらに改良し,よりよい教科書にしたいと考えている.


2010年1月
著者一同



目次

1 章 栄養マネジメント
 A.栄養マネジメントの概要
 B.栄養スクリーニング
 C.栄養アセスメント
  1.アセスメントの分類
  2.臨床診査
  3.臨床検査
  4.身体計測
  5.食事調査
  6.栄養・食生活と健康
 D.栄養ケアプラン
  1.栄養ケアプランの目標設定
  2.栄養ケアプランの実施
 E.栄養マネジメントの評価

2 章 日本人の食事摂取基準(2010 年版)
 A.概念 ― 基本的な考え方
  1.策定の目的
  2.策定方法
  3.設定指標
  4.年齢区分
  5.基準体位
  6.目安量と目標量算定のための摂取量のデータを用いた栄養素
  7.活用の基礎理論より―食事摂取状態の評価について
 B.エネルギー
 C.たんぱく質
 D.脂 質
  1.脂質(脂肪エネルギー比率)
  2.飽和脂肪酸
  3.n-6 系脂肪酸
  4.n-3 系脂肪酸
  5.コレステロール
 E.炭水化物・食物繊維・アルコール
  1.炭水化物
  2.食物繊維
  3.アルコール
 F.脂溶性ビタミン
  1.ビタミン A
  2.ビタミン D
  3.ビタミン E
  4.ビタミン K
 G.水溶性ビタミン
  1.ビタミン B1
  2.ビタミン B2
  3.ナイアシン
  4.ビタミン B6
  5.ビタミン B12
  6.葉酸
  7.ビタミン C
  8.その他の水溶性ビタミン
 H.多量ミネラル
  1.ナトリウム(Na)
  2.カリウム(K)
  3.カルシウム(Ca)
  4.マグネシウム(Mg)
  5.リン(P)
 I.微量ミネラル
  1.鉄(Fe)
  2.その他の微量ミネラル

3 章 妊娠期・授乳期の栄養
 A.妊娠期・授乳期の特徴
  1.妊娠の生理
  2.乳房の構造と乳汁分泌の生理
 B.妊娠期・授乳期の食事
  1.妊娠期・授乳期の栄養の重要性
  2.妊娠期・授乳期の食事摂取基準
  3.食事の基本方針
  4.食品構成と献立
 C.妊娠期・授乳期の栄養アセスメント
 D.妊娠期・授乳期の栄養と病態・疾患
  1.妊娠高血圧症候群と栄養
  2.妊婦の貧血
  3.妊娠と糖代謝
 E.妊娠期・授乳期の栄養ケア

4 章 新生児期・乳児期の栄養
 A.新生児期・乳児期の特徴
  1.身体の発育
  2.生理機能の発達
  3.運動機能・精神などの発達
 B.乳児期の食事
  1.乳児期の食事摂取基準
  2.母乳栄養
  3.人工乳栄養
  4.混合栄養
  5.離乳期栄養
 C.乳児期の栄養アセスメント
 D.乳児期の栄養と病態・疾患
 E.乳児期の栄養ケア
  1.母乳栄養
  2.離乳期栄養
  3.発育期に対応した食事の提供
  4.適切な食習慣の形成(食育)

5 章 幼児期の栄養
 A.幼児期の特徴
  1.身体の発育
  2.生理機能の発達
  3.運動機能・精神などの発達
  4.栄養状態の変化
 B.幼児期の食事
  1.幼児期の食事摂取基準
  2.幼児食の特性
  3.食品構成
  4.献 立
  5.幼児の間食
 C.幼児期の栄養アセスメント
 D.幼児期の栄養と病態・疾患,生活習慣
 E.幼児期の栄養ケア
  1.発育・発達
  2.身体活動
  3.正しい食習慣の学習
  4.生活習慣病の予防
  5.衛生習慣
 F.保育所給食
  1.給与栄養目標量の設定
  2.給与栄養目標量について
  3.食品構成と献立

6 章 学童期の栄養
 A.学童期の特徴
  1.身体の発育
  2.脳,免疫機能の発達
  3.身体活動
  4.自己管理能力の発達
  5.生活習慣,食習慣の変化
 B.学童期の食事
  1.学童期の食事摂取基準
  2.食品構成
  3.献 立
 C.学童期の栄養アセスメント
 D.学童期の栄養と病態・疾患,生活習慣
 E.学童期の栄養ケア
 F.学校給食
  1.学校給食の目標
  2.学校給食の種類と実施状況
  3.学校給食における食事内容
  4.学校給食における食品構成
  5.学校給食の食事内容の充実
  6.食育と栄養教諭

7 章 思春期の栄養
 A.思春期の特徴
  1.身体の発育,第二次性徴
  2.成長急伸
  3.精神の発達
 B.思春期の食事
  1.思春期の食事摂取基準
  2.食品構成
  3.献 立
 C.思春期の栄養アセスメント
 D.思春期の栄養と病態・疾患,生活習慣
 E.思春期の栄養ケア

8 章 成人期の栄養
 A.成人期の特徴
 B.生活習慣病
  1.発症の背景
  2.生活習慣病とは
  3.メタボリックシンドロームの疾患概念の導入
 C.成人期の栄養ケアプログラム
  1. 予防の重要性
  2. 「健康日本21」の発足
  3. 健康増進法の告示
  4. 食事バランスガイド
 D.成人期の栄養アセスメント
  1. 健康意識
  2. 平均寿命
  3. 死亡原因・疾病構造
  4. 国民健康・栄養調査の状況
 E.成人期の栄養ケア
  1. 健康診断や人間ドックの受診状況
  2. 「健康日本21」における目標値に対する中間評価
 F.成人期の食事
  1. 食事摂取基準の活用
  2. 献立の条件
  3. 食品構成例

9 章 更年期の栄養
 A.更年期の特徴
  1.更年期の心身の変化
 B.生活習慣病
  1. 骨粗鬆症の予防と対策
  2. QOLの向上と生活習慣の改善

10 章 高齢期の栄養
 A.高齢期の特徴
  1.老化の原因
  2.加齢に伴う身体的変化
  3.精神面の変化
  4.栄養関連機能の変化
 B.高齢期の食事
  1.高齢期の食事摂取基準
  2.食品構成
  3.献 立
  4.食べ方,食べさせ方
  5.咀しゃく・嚥下障害と食事
  6.100 歳老人の食事
 C.高齢期の栄養アセスメント
 D.高齢期の栄養と病態・疾患
  1.高齢期の疾患の特異性
  2.高齢期の栄養上の問題点
 E.高齢期の栄養ケア

11 章 運動・スポーツと栄養
 A.運動・スポーツと栄養素等の代謝
  1.運動・スポーツとエネルギー代謝
  2.運動・スポーツとたんぱく質代謝
  3.運動・スポーツとミネラル等の代謝
  4.運動・スポーツとビタミンの代謝
 B.健康増進と運動
  1.運動不足が身体に及ぼす影響
  2.運動が身体に及ぼす効果
  3.健康づくりのための運動
 C.トレーニングと栄養補給
  1.スポーツ栄養の基本的考え方
  2.日本人競技者の栄養素等摂取基準
  3.競技力向上と食生活

12 章 環境と栄養
 A.ストレス応答と栄養
  1.ストレスの特性
  2.ストレスに対する適応性と自己防衛
  3.ストレッサーの種類
  4.ストレスによる代謝変動
  5.ストレスと疾患
  6.ストレスと食事
 B.生体リズムと栄養
  1.生体機能とサーカディアンリズム
  2.食生活と生体リズム
 C.高温・低温環境と栄養
  1.体温調節
  2.環境温度と基礎代謝量およびエネルギー摂取量
  3.高温環境の生理と栄養
  4.低温環境の生理と栄養
 D.高圧・低圧環境と栄養
  1.高圧環境の生理と栄養
  2.低圧環境の生理と栄養
 E.無重力環境(宇宙環境)の生理と栄養