書籍カテゴリー:臨床看護学|皮膚科学

ナースができる!皮膚病変の見極め術(トリアージ)40
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ナースができる!皮膚病変の見極め術(トリアージ)40

1版

  • 東京医科大学八王子医療センター 皮膚科 教授 梅林芳弘 編著

定価:2,160円(本体2,000円+税8%)

  • B5判 168頁
  • 2018年4月 発行
  • ISBN978-4-525-50041-2

概要

「この皮膚の異常,どうしたらいい?」そんな迷いをスッキリ解決!

ナースが発見することも多い皮膚の異常.緊急で対処が必要なものから,そうでないものまでさまざまで,ときには,ナースがその緊急度を見極めなければならないことも.本書は,ナースが日ごろよく目にする皮膚の異常をクイズ形式で40点とりあげ,原因となる疾患についての緊急度や基礎知識,ナースがとるべき対応などを解説.

序文

~皮膚科医と一緒に見極めよう!~

 ナースのみなさん,こんにちは.たぶん,はじめまして.皮膚科医人生30年の梅林芳弘と申します.どうぞ,よろしく.
 今までいくつもの病院やクリニックで皮膚病の患者さんを診てきました.皮膚科はどこも患者さんが多くて混んでますよね.待合に患者さんがあふれかえって「あと, どれくらい待ちますかー」なんて訊かれることも多いんじゃないかと思います.アトラクションみたいに1人何分と決まっていたら「ただいまの待ち時間90分」と案内も掲げられるでしょうが,そんなの決まっていないのだから困りますよね.
 おまけに,受付の順番どおりに診るのが正しいとも言えません.今の医療現場はどこもギリギリの人員でやっています.限られた時間や資源は,医療の必要度に応じて効率よく振り分けられるべきなのです.とりわけ救急の現場では,重症度に応じた優先順位の見極めを行っています.これがトリアージの考え方です.
 本書は,この「見極め術」を皮膚科診療に応用したものです.患者さんに最初に接する医療のプロはナースのみなさんです.「何分待つかわかりません」「順番通り」という対応なら,医学知識も国家資格もいりません.「この患者さん,待たせちゃいけない」「待っているうちにやれることがあるんじゃないか」などプロの見極め術が求められているのです.
問診票を書いてもらってそれを読み,患者さんの話を聴いて,できる範囲で皮膚病変を見せてもらい,場合によってはバイタルを測り,これは,と思ったら診察中のドクターに報告しましょう.当の患者さんを含め,みんながどれほど助かるか.
 そういうことのできるプラチナ級ともいうべきナースは,ドクターの思考パターンが読めているのでしょう.では,ドクターはどのように考えを進めていくのか.まず正しい診断です.そのうえで適切な治療です.診断というのは,ごめんなさい,「皮膚統合性の障害」ではありません.そんなふうに診断するドクターはいないので,その診断名はドクターとの連携上,役に立たないのです.
 皮膚病の種類は2,000?3,000あると言われています.しかし,患者さんの85%は上位20疾患が占めるとされます.本書で扱っている皮膚疾患の数は40です.疾患の数としては全体の5%以下にすぎません(残り95%超はドクターの領分でしょう).でも,この5%以下でおそらく患者さんの9割はカバーできます.役に立つ40疾患なのです.
 本書ではあえて教科書的な構成はとらず,症例から始めます.一般外来,救急外来,病棟,在宅や介護施設等々,さまざまな場面で遭遇するであろう患者さんがリアルに提示されます.どんな病気なのか,もしそこに皮膚科医がいない場合,すぐに知らせるべきなのか,翌日以降でもいいのか,一緒に考えていきましょう.解説ページでは,それがどういう病気なのか,思い切り砕いて砕いて説明しています.その知識のうえで,実際の患者さんに対し,どういう手順で診療を進めていくのか,そこを先読みしてすぐに動ける態勢を整えておくことが,現場を円滑に回していくうえでとても大事です.最後に,ナースの独擅場ともいうべききめ細かい患者指導,それについても詳しく述べています.
 折しも 2018 年から,日本皮膚科学会が皮膚疾患ケア看護師制度を発足させました.本書が,皮膚疾患ケアのエキスパートを目指すみなさんにとって,楽しくも有益なテキストであらんことを願っています.
 最後に,見ているだけで気持ちがほっこりする猫ドクターのイラストを提供して下さった鈴木真実先生,編者の偏執狂的にしつこい修正にお付き合いいただいた執筆者の先生方と南山堂編集部の松村みどりさんに深く感謝申し上げます.

2018年2月
東京医科大学八王子医療センター皮膚科
梅林芳弘

目次

ケース1  くちびるが腫れ,意識を失った
ケース2  痒い発疹が出たり消えたり
ケース3   毎年,冬になるとすねが痒くなる
ケース4  以前から,全身に痒い皮疹を繰り返している
ケース5  全身真っ赤になった
ケース6  顔が赤くなり,耳が腫れた
ケース7  くちびるに水疱ができて,ピリピリ痛い
ケース8  顔の左側に水疱ができて,ビリビリ痛い
ケース9  手に何かできている
ケース10 子どもの体にぶつぶつがいっぱい
ケース11 子どもの顔にかさぶたがいっぱい
ケース12 熱があり,右頰が赤い
ケース13 熱があり,足が腫れている
ケース14 寝たきりの高齢者,陰部が赤い
ケース15 毎年,夏になると胸に発疹が出る
ケース16 足の裏の皮がむける 桐山徳子
ケース17 殿部が赤くなって痒い 山田七子
ケース18 爪が厚く変形し,変色している
ケース19 全身が激しく痒い,特に夜
ケース20 脚に何かがくっついている
ケース21 何かに手を咬まれた
ケース22 全身に発疹,くちびるがむけている
ケース23 全身に水ぶくれが増えてきた
ケース24 咳で息苦しく,皮膚も痒い
ケース25 髪の毛がどんどん抜ける
ケース26 全身に赤い皮疹が増えてきた
ケース27 脚に赤い発疹,関節が痛い
ケース28 頰に何かできている
ケース29 陰部がただれ,軟膏をぬっても治らない
ケース30 足の裏のほくろが盛り上がってきた
ケース31 風呂に入ったら,熱湯だった
ケース32 脚が痛い
ケース33 寝たきりの患者,殿部が赤い
ケース34 ストーマのまわりが赤くただれた
ケース35 顔のしみが気になる
ケース36 顔のぶつぶつが気になる
ケース37 歩くと足の裏が痛い
ケース38 足の親指が腫れて痛い
ケース39 がん患者,足の裏が痛い
ケース40 点滴を刺しているところが痛くなった

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