書籍カテゴリー:腫瘍・化学療法|臨床薬学

基本まるわかり!分子標的薬
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基本まるわかり!分子標的薬

2011年 1版

  • 名古屋大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長 石川和宏 著

定価:2,100円(本体2,000円+税5%)

  • B5判 64頁
  • ISBN978-4-525-42351-3

これまでの抗がん薬とは,まったく異なるメカニズムの「分子標的薬」.臨床現場で使用する場面も多くなり,患者さんに質問される機会も増えました.本書は専門書ではありません.がん細胞の特徴や,従来の抗がん薬と何がちがうかなど,イラストで解説.「分子標的薬」が苦手だな,と感じている方にもおすすめの入門書です.

序文

 近年,分子生物学の進歩によりがんの発生や維持にかかわる分子やそれらの分子と連携するシグナルが明らかにされ,がんに特異的な分子作用に主眼を置いた数々の分子標的薬が開発されてきた.さらにその開発は従来型抗がん薬と比べ対象となる主要な標的が定まり,驚くほど速いものとなっている.これは短期間で多くの薬剤が登場してきたことからも明らかである.その結果,数年前と比較すると各種のがんに対する標準的治療が大きく変化し,今後も多くの抗がん薬治療は分子標的薬に転換していくものと思われる.
 このようななかでがん化学療法に従事するさまざまな医療職において十分な知識を持った対応が日々求められている.しかしながら,従来にない作用機序を有した分子標的薬に関する知識については難解な部分もあり,不十分な知識で治療に携わっているという不安を抱えている医療職は少なくはないと思われる.そこで,少しでもその不安を取り除き,より意欲的に分子標的薬を用いたがん治療に取り組めるようにすることを目的に今回の執筆に着手した.入門書という前提でできるだけ平易で簡潔な説明文とし,カラー図表を多用することでより理解しやすい内容を心がけた.
 本書を活用することで1人でも多くの方ががん治療における分子標的薬について,難解であるというイメージの解消に寄与できることを祈るとともに,治療の理解を促すことで今まで以上に自信をもって意欲的に各職務に専念できるようになるとともに,チーム内などで抗がん薬治療に関する会話が弾んだり,あるいは患者さんによりわかりやすく説明できるようになることにも役立つであろうと信じている.このような効果を期待しながらがん治療の質が少しでも改善されることができたら至極の喜びである.

2011年夏
名古屋大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長
石川和宏

目次

第1章 がん細胞のしくみからみた従来型抗がん薬と分子標的薬のちがい
1 新しいがん治療薬として登場した分子標的薬
2 がんの増殖のしくみ
3 がんの浸潤・転移のしくみ
4 がんの血管新生のしくみ
  Column 従来型抗がん薬の作用機序

第2章 分子標的薬の特徴とメカニズム
1 抗体薬と低分子薬
2 リガンドまたは膜受容体阻害薬
3 膜上分化抗原を標的とする抗体薬
4 EGFRチロシンキナーゼ阻害薬
5 BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬
6 多標的キナーゼ阻害薬
7 mTORおよびプロテアソーム阻害薬
8 分子標的薬一覧

第3章 各論を踏まえたがん化学療法総論
1 遺伝子情報とがん化学療法
2 投与された抗がん薬の作用に関連した因子
3 支持療法とがん化学療法