2011年 第3版
定価:5,775円(本体5,500円+税5%)
消化器癌のKey Drugs やエビデンスレベルの高い化学療法の最新知見を,コンパクトに解説.また,国内外の大規模臨床試験,分子標的薬などの情報もアップデートしている.各項目のポイントを箇条書きで解説してあるため,簡潔でわかりやすい.消化器癌領域のプロフェッショナルを目指す医療従事者に必携の書.
不治の病のように恐れられている癌の年齢調整死亡率は,上昇が続いていた男性でも今世紀に入って明らかに減少を始めた.現代医学は徐々に,しかし着実に癌を追い詰めているのである.
本書の第1版を上梓させていただいたのは2007年11月である.それから4年,ここにお届けする改訂第3版の内容は,これまでと比較して遥かに充実したものになった.「消化器癌化学療法に関する最新の知見を盛り込んだ他に類をみない医学書」を目指す企画当初の志は,版を重ねるごとに揺るぎないものになっている.
改訂3版では,消化器癌の化学療法に関する無作為化比較試験の情報をよりふんだんに盛り込んだ.いつどこで,どのような無作為化比較試験が行われ,そこから引き出された結論は何なのか.最新の消化器癌化学療法を理解し,さらにこれからの進歩に対する関心を深めるためには数多の無作為化比較試験の情報が必要である.本書の内容をその方向に深化させることを目的として,94人の方々に執筆陣に加わっていただいた.お忙しいなか素晴らしい原稿を書き上げて頂いたすべての先生に,心から御礼を申し上げたい.また,総ページ数を極力抑えるため,一部の広く知られた事柄に対する記述は割愛した.本書を常に進化するコンパクトな専門書としたい一念からである.
悪性腫瘍とともに三大疾病にあげられる虚血性心疾患や脳卒中では,治療法の進歩とともに病因の究明と予防的薬物療法の開発・普及が進んだ.その結果,この二疾患の年齢調整死亡率には,悪性腫瘍に先んじて著しい減少が認められている.消化器癌の化学療法が日進月歩のようにみえるのは,実は未だ熟していないことが反映されているのである.当該領域の化学療法が成熟するまで,本書はその行く先を照らす存在であり続けたい.
2011年秋
編者を代表して 大村健二
第Ⅰ章 消化器癌化学療法と腫瘍学
癌細胞動態から考える化学療法の基礎的理論
第Ⅱ章 消化器癌化学療法の実際
消化器癌化学療法のKey Drugs
1 フルオロピリミジン
2 イリノテカン(CPT-11)
3 白金製剤
4 タキサン
5 ゲムシタビン
消化器癌に対する多剤併用療法
1 S-1/CDDP
2 LV/5-FU,LV/UFT
3 5-FU/CDDP
4 LV/5-FU/ L-OHP
5 LV/5-FU/CPT-11
6 ゲムシタビン+α
わが国における大規模無作為化比較試験
1 JCOG9912,SPIRITS,GC0301/TOP-002
2 START(JACCRO GC-03)
3 ACTS-GC
4 JCOG9204,JCOG9907
5 N-SAS-GC,JCOG8801,JCOG9206-1,JCOG9206-2
6 FIRIS
7 N-SAS-CC,ACTS-CC
8 現在進行中の大規模臨床試験―消化管
9 現在進行中の大規模臨床試験―肝・胆・膵
消化器癌に対する分子標的薬と大規模臨床試験
1 ベバシズマブ(bevacizumab)
2 セツキシマブ(cetuximab)
3 パニツムマブ(panitumumab)
4 トラスツズマブ(trastuzumab)
5 イマチニブ(imatinib)
6 スニチニブ(sunitinib)
7 ソラフェニブ(sorafenib)
8 わが国における大規模臨床試験
9 現在進行中の大規模臨床試験
消化器癌化学療法の癌種別治療戦略
1 食道癌に対する化学(放射線)療法
1)切除不能転移・再発食道癌における化学療法
2)食道癌の術前・術後補助化学療法
2 胃癌に対する化学(放射線)療法
1)切除不能・再発胃癌における化学療法
2)胃癌の術前・術後補助化学療法
3 大腸癌に対する化学(放射線)療法
1)切除不能・再発大腸癌における化学療法
2)大腸癌の術後補助化学療法
4 GISTに対する化学療法
1)切除不能転移・再発消化管間質腫瘍における化学療法
2)消化管間質腫瘍の術後補助化学療法
5 原発性肝癌に対する化学療法
6 胆道癌に対する化学療法
7 膵臓癌に対する化学療法
1)手術不能進行膵臓癌における化学(放射線)療法
2)膵臓癌の術後補助化学療法
消化器癌化学療法の副作用対策
1 血液毒性
2 消化管毒性
3 腎毒性
4 神経毒性
5 アレルギー反応
6 皮膚障害
7 高血圧
消化器癌化学療法後のサーベイランス
消化器癌化学療法施行時の栄養管理と消化器癌患者の緩和医療
1 癌化学療法施行時の栄養管理
2 消化器癌患者に対する緩和医療
第Ⅲ章 Tailor-made chemotherapyの現状
消化器癌の抗癌剤感受性試験の現状と展望
消化器癌化学療法と分子生物学
1 遺伝子変異,遺伝子多型による癌化学療法の効果予測
2 遺伝子変異,遺伝子多型による癌化学療法の副作用予測
第Ⅳ章 抗癌剤の臨床試験
抗癌剤の臨床第Ⅰ相試験
抗癌剤の臨床第Ⅰ,Ⅱ相試験