南山堂

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カテゴリー: 皮膚科学  |  形成外科学

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毛の悩みに応える皮膚科診療

毛髪最前線

1版

大阪大学 教授 板見 智 編集
京都大学 教授 宮地良樹 編集

定価

9,900(本体 9,000円 +税10%)


  • B5判  210頁
  • 2006年6月 発行
  • ISBN 978-4-525-34231-9

「飲む育毛剤」とされる世界初の男性型脱毛症用薬プロペシア錠(フィナステリド)の発売により,「男性型脱毛症治療」が本格化されることが予想される.本書はそのような中で,患者さんからの「毛に対する悩み」に応える最新かつ,実際の診療に役立つ「毛」の専門書(実践書)である.

  • 序文
  • 目次
序文
 毛髪科学はいま皮膚科学の最先端を行くトレンディーな領域となった.その背景として,再生医学研究の隆盛に伴い,毛髪の発生,再生が重要な研究テーマとなったこと,アンチエイジングの潮流から毛髪疾患の整容的な治療が脚光を浴び,美容外科的な施術のみでなく,フィナステリドの承認にみられるような皮膚科的治療が認知され,普及したことがあげられよう.
 毛髪科学は皮膚科学の主流ではなかったため,臨床も研究も地味である印象を免れない側面があった.そのため系統的な書物もなく,したがって臨床研修も疎かにされてきた.なぜ主流たり得なかったかといえば,体系的な毛髪科学が成熟する前に,育毛剤や美容外科によって医療が占有されてきたからである.最近の再生医学,男性ホルモン学,免疫学の進歩は,そのような過去の経緯を凌駕し,一気にサイエンスとして結実した結果,男性型脱毛症や円形脱毛症などの病態が解き明かされ,理にかなった治療法が開発されてきている.皮膚科医がその学問の進歩に触発されて,毛髪科学に多大な関心を寄せるようになったのは当然の帰結であろう.
 本書はそのような毛髪科学の潮流を受けて,一般実地医家とともにこの進歩を享有すべく,毛髪科学の全容を集大成したものである.毛髪の発生,幹細胞の考え方など基礎的な側面から,男性型脱毛症の発症機序や治療法,さらには円形脱毛症の最新の知見と治療に言及し,再生医学による毛髪の再生までも展望した.きわめて平易かつ実践的に記載されているので,日常診療にもただちに役立つであろう.また患者さんから浴びせられる毛髪にまつわる疑問やトピックスについても随所にミニレクチャーとして挿入した.
 本書を一読することで,毛髪科学の新しい地平を鳥瞰でき,日常診療に活用することが可能となり,皮膚科治療の幅と奥行きを深化することが可能となろう.読者諸氏が毛髪科学の息吹を肌で感じ,治療の新展開を享受できれば幸甚である.

平成18年新緑の季節に
宮地良樹 板見 智
目次
I.毛髪を知る
 1.毛は必要か?─毛の構造と役割
 2.毛はなぜ生えかわる?─毛包(毛器官)の発生と再生の分子メカニズム
 〔ミニレクチャー〕毛と免疫の深い関係
 3.皮膚の貯金箱─毛包の幹細胞
 〔ミニレクチャー〕毛にまつわる迷信とウソ
II.男性型脱毛症にせまる
 1.男はなぜハゲる?─男性型脱毛症の病態と発症メカニズム
 2.女性のびまん性脱毛は男性型脱毛症?
 〔ミニレクチャー〕眉毛の訴え─化粧・刺青から再建まで
 3.男性型脱毛症は治るか?─育毛剤の現況
 〔ミニレクチャー〕毛髪用化粧品
 4.フィナステリドはどこまで効くのか?
 5.一気に髪を生やす!─最新の植毛術〜残っている毛の有効利用
 6.「かつら」の効用─QOLを考える〜補填物は本当に人の心を癒せるか
III.ここまでわかった円形脱毛症
 1.円形脱毛症はなぜ起こる─最新の知見
 2.円形脱毛症の治療とその限界
IV.なぜ白髪になる?─白髪のメカニズム
 〔ミニレクチャー〕毛の色素脱失─スイミングでの茶髪・金髪はなぜか?
V.全身疾患と脱毛症
 〔ミニレクチャー〕脂漏性皮膚炎,粃糠性脱毛
VI.多毛症の原因と治療─レーザー脱毛
 〔ミニレクチャー〕陰毛のトラブル─再建を中心として
VII.毛の再生─未来治療
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