書籍カテゴリー:小児科学|内科学一般

症例を通して学ぶ年代別食物アレルギーのすべて
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症例を通して学ぶ年代別食物アレルギーのすべて

第2版

  • 国立病院機構相模原病院臨床研究センター 副臨床研究センター長 海老澤元宏 編

定価:5,400円(本体5,000円+税8%)

  • 四六倍判 342頁
  • 2018年8月 発行
  • ISBN978-4-525-28482-4

概要

学術論文やガイドラインなどでは埋められないヒントやコツが満載

年代別に大きな変化や違いのある「食物アレルギー」.乳児期,幼児期,学童・思春期,成人期に分け“診療の手引き”や“ガイドライン”では埋められないヒントやコツを,多くの症例を通して学べる実践書.さらに一歩進んだ「食物アレルギー」の診療が可能に!「食物アレルギー」の診療にあたるさまざまな領域の医師必読の一冊.

序文

2013年の秋にこの本を世に出してから早いもので5年が経過しました.うれしいことに食物アレルギー診療ガイドライン同様,多くの方に手に取っていただくことができました.
この5年間に2012年の調布市での給食によるアナフィラキシー死亡例を受け,2013年には文部科学省・日本学校保健会が9年ぶりのアレルギーを有する児の全国調査を行い,食物アレルギー有症率4.5%,アナフィラキシー0.48%と9年間でいずれも著増していることが明らかにされました.2015年には学校のアレルギーガイドラインを補完するさまざまな資料やエピペン®練習用トレーナーが全国の公立の学校に届けられ,女児の命と引き替えに学校での食物アレルギー・アナフィラキシー対策は大きく進みました.同年には厚生労働省研究班により“診療の手引き2014”の改訂が行われ,2016年には保育所(園)全国調査が行われました.そして日本小児アレルギー学会により“診療の手引き2014”の内容を取り入れた“食物アレルギー診療ガイドライン2016”が発刊されました.2018年には厚生労働省研究班により“栄養食事指導の手引き2017”が6年ぶりに改訂され,AMED研究班により“診療の手引き2017”も改訂が行われました.
このように食物アレルギー領域ではさまざまな対策がとられ,研究成果が発表されました.具体的にはアレルゲン診断方法の進歩,食物経口負荷試験の改良,栄養食事指導,経口免疫療法,発症予防などが5年前の記述や項目立てでは対応できなくなったことが改訂第2版を出版することになった最大の理由です.
第1版に続いて本書が,学術論文やガイドライン等では埋められない細かい点(ヒントやコツ)を食物アレルギーの診療に当たるさまざまな領域の先生方に提供できることを祈念しています.
第2版を出版するにあたり,国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部の竹井真理先生のサポートに深謝します.

2018年7月
海老澤 元宏

目次

基本編
1 歴史的背景と概念の変化(自分の経験を踏まえて)
2 疫学
3 臨床型分類と自然歴
4 免疫学的機序
5 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関係
6 予知と予防
7 食物アレルゲン
8 年代別問診のポイント
9 特異的IgE 抗体検査
10 特異的IgE 抗体検査(コンポーネント)
11 皮膚テスト
12 好塩基球活性化マーカー
13 食物経口負荷試験:オープン
14 食物経口負荷試験:乳児
15 食物経口負荷試験:ブラインド
16 食物経口負荷試験の判定と最終診断 軽微な症状の判定について
17 即時型症状への対応
18 経口免疫療法
19 栄養食事指導
20 食品表示 加工食品のアレルギー表示
21 投与禁忌薬物と予防接種
22 病診連携
23 社会的対応:保育所(園)
24 社会的対応:学校
25 社会的対応:災害時の対応
26 社会的対応:管理指導表の書き方

症例編
乳児期
1 新生児・乳児消化管アレルギー:低出生体重児
2 新生児・乳児消化管アレルギー:正常出生体重児
3 新生児・乳児消化管アレルギー:母乳栄養児
4 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎発症早期(生後2 〜3 ヵ月):皮膚テスト遅発型反応
5 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎典型例:プリックテスト即時型反応陽性・血液検査陰性例
Column:「食物アレルギー」チェックリスト
6 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:湿疹の悪化を伴い重症化した例
7 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:下痢を伴い重症化した例
Column:食物アレルギーの関連情報が得られる公的なサイト
8 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:不必要な除去を指導されている例
9 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎:鶏卵・牛乳・小麦などの多抗原陽性例の離乳食の進め方
10 乳児期即時型発症(湿疹皆無):人工栄養での発症例
11 乳児期即時型発症(湿疹皆無):離乳食開始後

幼児期
1 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎からの移行例
2 アトピー性皮膚炎のコントロール不良例
3 混乱している保護者への対応
4 不必要な除去を指導されている例:医療面
5 不必要な除去を指導されている例:栄養面
6 鶏卵アレルギー 自然歴+少量負荷試験+食事指導
7 牛乳アレルギー 自然歴+少量負荷試験+食事指導
8 小麦アレルギー 自然歴+少量負荷試験+食事指導
9 大豆アレルギー
10 ジャガイモアレルギー
11 ヤマイモアレルギー
12 ピーナッツアレルギー
13 ゴマアレルギー
14 ナッツ類アレルギー
15 ソバアレルギー
16 魚アレルギー
17 魚卵アレルギー:イクラ
18 魚卵アレルギー:タラコ
19 甲殻類アレルギー
20 軟体類アレルギー
21 肉アレルギー
22 果物アレルギー
23 牛乳アレルギー児の喘息発作にソル・メドロール®を使用し,アナフィラキシーを呈した症例
24 保育所での給食対応の問題例:誤食
25 エピペン®使用例
26 医師研修も含めた病病連携

学童・思春期
1 ピーナッツアレルギー 少量負荷試験+食事指導
2 クルミアレルギー 少量負荷試験+食事指導
3 カシューナッツアレルギー 少量負荷試験+食事指導
4 ヘーゼルナッツアレルギー 少量負荷試験+食事指導
5 PFAS(花粉-食物アレルギー症候群)
6 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
7 少量導入免疫療法(アナフィラキシータイプ):鶏卵
8 少量導入免疫療法(アナフィラキシータイプ):牛乳
9 少量導入免疫療法(アナフィラキシータイプ):小麦
10 少量導入免疫療法(アナフィラキシータイプ):ピーナッツ
11 経口免疫療法:マルチナッツ
12 オマリズマブ併用の経口免疫療法
13 学校での対応の問題例:エピペン®
14 学校での対応の問題例:給食
15 学校での対応の問題例:食事・おやつ・食材との接触を伴う活動
16 学校での対応の問題例:宿泊を伴う活動
17 牛乳アレルギー児にリカルデントペーストを使用した症例
18 喘息合併牛乳アレルギー児に乳糖含有ドライパウダー製剤が処方された症例

成人期
1 甲殻類アレルギー
2 軟体類アレルギー
3 貝アレルギー
4 アニサキスアレルギー
5 食物依存性運動誘発アナフィラキシー6 茶のしずく石鹸による即時型コムギアレルギー
7 PFAS
8 ラテックス-フルーツ症候群
9 豆乳アレルギー
10 納豆アナフィラキシー
11 甘味料アレルギー
12 肉アレルギー(α-gal)
13 食物に混入するダニの経口摂取によるアナフィラキシー
14 食品中の色素・添加物への反応例
15 心因反応との鑑別(多種化学物質過敏症)
16 基礎疾患を有する食物アレルギー患者への対応:非ステロイド性抗炎症薬
17 基礎疾患を有する食物アレルギー患者への対応:βブロッカー

巻末資料
● アレルゲンのまとめ
● アルルゲン検査項目一覧
● アレルゲンスクラッチエキス「トリイ」リスト一覧
● 代替食品一覧
● 食物アレルギー対応食 1週間サイクルメニュー(例)
● アレルギー物質を含む食品表示のまとめ
● アレルギー症状の重症度評価と対応マニュアル
● 食物経口負荷試験食の作り方と栄養指導
● 生活管理指導表:保育所(園)
● 生活管理指導表:学校

索引