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お母さんのアレルギー診療と子どもの発症予防

妊娠の準備から離乳食の進め方まで

1版

昭和大学医学部小児科学講座 講師 今井孝成 編

定価

3,520(本体 3,200円 +税10%)


  • A5判  217頁
  • 2018年1月 発行
  • ISBN 978-4-525-24571-9

アレルギー診療の最前線をお伝えします!

アレルギーの症状は様々である為,多科にわたって日常診療で遭遇する可能性がある.特に,近年増加傾向にあり,母親になる女性は妊娠期の治療方法や子どもの発症予防にも関心をもちうる.本書はそのような患者からの相談にも適切に対応するため,幅広い臨床家に向けて実用的な知識をエビデンスベースにまとめたお勧めの一冊である.

  • 序文
  • 目次
序文
 国民病といわれて久しいアレルギー疾患は引き続き増加傾向にあり,全世代において患者や家族は苦難の日々を送っている.本著では中でも,これまであまり注目されてこなかった妊娠から出産に至るお母さんのアレルギー疾患管理と,生まれてくる子どものアレルギー疾患発症予防に着目した.
 これまでアレルギー関連学会から,さまざまなアレルギー疾患の診療ガイドラインが数多く発刊されてきた.しかしその管理対象者として,思春期女子から妊産婦が注目されることはなく,関連情報が十分に記述されているとは到底いえない状況にある.これは妊産婦のアレルギー疾患管理に関して明確なエビデンスがなかったり,複合領域なので専門の医師が不足していたりすることが関連していると推察される.出産という人生の大きなイベントを前にしたお母さん達の疾患管理の向上を期待して安全な出産に繋げられるように,各分野から詳述いただいた.
 また,昨今アトピー性皮膚炎の発症予防におけるスキンケアの重要性や,食物アレルギー発症予防における早期摂取の有用性が質の高い研究によって示されてきた.平成 29 年 6 月には,遂には日本小児アレルギー学会から「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が行われるような事態にもなっている.まさに日進月歩で進歩している分野であり,注目度が非常に高い.アレルギー疾患の一次予防が可能となれば,疾患管理としては根本的な解決策ともいえる.本著では生まれてきた子ども達の置かれる環境に関連して,多角的に現在わかっているアレルギー疾患予防に関してまとめていただいた.
 わが国は平成 27 年 12 月にアレルギー疾患対策基本法を施行し,アレルギー診療レベルの底上げに余念がない.今後,より良いアレルギー医療が供給され,患者らもそれを享受することができるようになるだろう.本著は妊産婦のアレルギー診療の充実,安全な出産,および乳幼児のアレルギー発症予防の礎になることを期待するものである.

2017年 11月
今井孝成
目次
目次

A.妊娠前に知っておくべきこと
 Ⅰ思春期のアレルギー疾患管理
B.妊娠・授乳中のアレルギー疾患の管理
総論
 Ⅰ妊娠に伴う免疫系の変化とアレルギー疾患の増悪・寛解
 Ⅱ妊娠と薬剤曝露の影響に関する基礎知識
 Ⅲ授乳と薬剤曝露の影響に関する基礎知識
各論
 Ⅳアレルギー疾患の管理
  A.気管支喘息の管理
   ①妊娠・出産における気管支喘息の管理・指導
   ②気管支喘息薬の使い方 —ステロイド薬を中心に
   ③気管支喘息薬の使い方 —ステロイド薬以外
  B.花粉症の管理
   花粉症が妊娠・出産に与える影響 —薬剤の使い方,免疫療法について
  C.アトピー性皮膚炎の管理
   妊娠・出産がアトピー性皮膚炎に与える影響,薬剤の使い方
  トピックス:DOHaD 仮説
C.子どものアレルギー疾患の予防(妊娠中から授乳・離乳期以降まで)
総論
 Ⅰ新生児から乳児期における免疫系の特徴と変化
 Ⅱ母乳栄養の位置づけ
 Ⅲアレルギーマーチ
各論
 Ⅳアレルギー疾患の発症・予防
  A.食生活とアレルギー発症予防
   ①母親の食生活と食事制限
   ②母乳と調製粉乳(大豆乳・ペプチドミルク・アレルギー用ミルクを含む)
   ③離乳食の開始時期,進め方
  B.生活環境などとアレルギー発症・予防 
   ①スキンケア・環境中の食物抗原
   ②プロバイオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクス・マイクロバイオーム
   ③衛生仮説
   ④環境因子(ダニ・ホコリ・ペットなど〔食物抗原除く〕)
   ⑤喫煙・大気汚染
   ⑥呼吸器感染症
   ⑦その他(遺伝要素,日照時間,ビタミン D など)
おわりに
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