2011年 第3版
定価:3,675円(本体3,500円+税5%)
第3版では,最近の診断基準の改定やインクレチン関連薬の登場,持続血糖測定(CGM)の保険適応など,糖尿病診療における6つの大きな「流れ」を中心に内容を更新! インクレチン関連薬については新たに章を設けて解説した.実地医家はもちろん,コメディカルにも受け入れられる,やさしくポイントをついた解説が本書の特徴である.
2003年に初版を上梓した本書を,この度改訂3版として先生方にお届けできることは,編者として大変喜ばしいことである.
今回も「編者らの患者が実際に発した質問」(Q)に対し,臨床体験豊富な糖尿病専門医が「回答」(A)し,さらに何故このような回答になったかの根拠を「Aのポイント」として示してある.
ところで2010〜2011年にかけて,糖尿病診療で特記すべき大きな6つの「流れ」があった.
1.糖尿病の新しい診断基準とHbA1cの新しい表示方法(本書は全てJDS値で示してある)が訂正されたこと
2.治療面では,単独療法では低血糖を起こしにくく,グルカゴン分泌を抑え,さらに膵細胞を増殖再生させる可能性があるインクレチン関連薬が登場したこと
3.持続血糖モニター(CGM)が保険で認められ,今まで観察できなかった血糖変動を観察できるようになったこと
4.糖尿病腎症は1998年より透析導入の最大の原因疾患となり増加の一途をたどっていたが,初めて減少傾向がみられたこと
5.保険診療分野で指導監査やレセプト点検業務が強化されたこと
6.血糖厳格管理群で総死亡が上昇し,その原因がHbA1cの急激な降下や重篤低血糖による可能性があり,一部の糖尿病治療薬使用者にある種の癌のリスク上昇の可能性があること……などが外国で報告されていること
本書では2011年夏時点で,それらの改訂点,新薬などの最新のデータと,それを使いこなしてみた自らの臨床経験に基づいた専門医のベストの「回答」が示してある.
また,
・糖尿病診療の盲点や勘所を説明した「ヒヤリ・ハット対策」,「診療メモ」や
・2011年4月の診療報酬改定に沿った最新の情報を記載した「保険診療のポイント」
など,従来の専門書にはみられない本書の特徴であるコラムは,今回も踏襲している.
本書は正に糖尿病診療の虎の巻と自負しているので,糖尿病専門医および非専門医の座右の書として活用いただきたい.またコメディカルの先生には本書を通して,医師が患者さんとどのような会話を行っているかを理解していただければ幸いである.
2011年10月
伊藤 眞一
1.実地医家の役割
Q1─1 無診察治療
Q1─2 ケトーシス(急性合併症)
Q1─3 劇症1型糖尿病
Q1─4 抜歯・歯周病
Q1─5 検査のための禁食時の留意点
Q1─6 体重減少(甲状腺機能亢進症)
2.検 査
Q2─1 OGTT
Q2─2 HbA1c
Q2─3 インスリン抵抗性
Q2─4 1,5─AG, GA, FPG
Q2─5 抗GAD抗体
Q2─6 血中CPR・尿中CPR
3.食事・運動
Q3─1 生活指導(栄養食事指導を主に)
Q3─2 アルコール
Q3─3 糖尿病腎症の食事
Q3─4 外 食
Q3─5 運動療法の導入
Q3─6 運動療法の注意点
Q3─7 1型糖尿病の食事療法
4.経口血糖降下薬
Q4─1 経口血糖降下薬の導入
Q4─2 SU薬
Q4─3 SU薬の二次無効
Q4─4 SU薬と他の薬の併用
Q4─5 α-GI薬
Q4─6 速効型インスリン分泌促進薬
Q4─7 新しい(第三世代)SU薬
Q4─8 ビグアナイド(BG)薬
Q4─9 チアゾリジン誘導体(アクトスR)
Q4─10 チアゾリジン誘導体の副作用
5.インスリン
Q5─1 インスリン導入のインフォームドコンセント
Q5─2 外来でのインスリン療法の開始
Q5─3 インスリン製剤の種類・使い方
Q5─4 インスリンアナログ・ミックス製剤
Q5─5 インスリン強化療法
Q5─6 インスリン療法の中止
Q5─7 高齢者と血糖自己測定(SMBG)
Q5─8 妊娠と糖尿病
Q5─9 インスリンの保存
Q5─10 血糖自己測定(SMBG)
Q5─11 SMBG測定
Q5─12 インスリン注射のコツ
6.インクレチン関連薬
Q6─1 インクレチン関連薬とは
Q6─2 DPP─4阻害薬の作用機序
Q6─3 DPP─4阻害薬の副作用
Q6─4 インクレチン関連薬の体重減少効果
Q6─5 GLP─1受容体作動薬の適応
Q6─6 GLP─1受容体作動薬の使い方
7.神経合併症
Q7─1 糖尿病神経障害
Q7─2 治療後神経障害
Q7─3 閉塞性動脈硬化症(ASO)
Q7─4 消化管系自律神経障害
Q7─5 起立性低血圧
Q7─6 糖尿病単神経障害
Q7─7 神経因性膀胱
Q7─8 勃起障害(ED)
Q7─9 勃起障害の治療薬
8.腎合併症
Q8─1 微量アルブミン尿
Q8─2 CKD(慢性腎臓病)
Q8─3 糖尿病腎症以外の腎病変
Q8─4 糖尿病腎症の臨床経過
Q8─5 尿蛋白定量
Q8─6 ネフローゼ症候群
Q8─7 蛋白制限
Q8─8 Crの上昇
Q8─9 糖尿病腎症の日常生活上の注意
9.眼合併症
Q9─1 糖尿病網膜症の自覚症状
Q9─2 眼底検査
Q9─3 単純網膜症
Q9─4 黄斑浮腫
Q9─5 網膜光凝固療法
Q9─6 眼底出血
Q9─7 硝子体手術
Q9─8 白内障
Q9─9 日常生活の留意点(糖尿病網膜症)
10.小 児
Q10─1 小児2型糖尿病
Q10─2 小児1型糖尿病
Q10─3 尿糖陽性
Q10─4 カーボカウント
11.高齢者
Q11─1 加齢(高齢者)と耐糖能
Q11─2 高齢者のインスリン療法
Q11─3 高齢糖尿病の治療目標
Q11─4 独居高齢者
12.低血糖
Q12─1 低血糖への対処法
Q12─2 網膜症と血糖コントロール
Q12─3 無自覚低血糖
Q12─4 sick day
巻末資料
索 引