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2004年 1版
定価:3,360円(本体3,200円+税5%)
本書はプライマリ・ケアを理解し学習するための手引きある.「第1部 プライマリ・ケア医の一日」では,診療所での40余りの場面を設定,学ぶべきプライマリ・ケアの項目を総説で解説.「第2部 プライマリ・ケアの勉強部屋」で理解を深めていただきたい.「第3部 プライマリ・ケアの小辞典」は本文の理解を助ける用語が約170項目収載されている.
この度,日本プライマリ・ケア学会は,医師の卒後研修必修化を念頭に,より幅広くプライマリ・ケアを担う医師の研修に役立つよう,平成10年に刊行致しました「プライマリ・ケアを目指す医師研修ガイドブック」の続編として「プライマリ・ケア医の一日」を発刊致しました.
わが国にプライマリ・ケアという理念が導入されて久しいですが,そのきっかけは,WHOが1978年,当時ソ連のアルマ・アタでのプライマリ・ヘルスケアに関する宣言の中で,2000年までに全ての人びとに健康を―Health for all―を提言してからでしょう.そしてわが国ではプライマリ・ケアをより幅広くとらえ,今では「地域を基盤として,継続的に展開される全人的かつ包括的な保健・医療・福祉の統合された活動」として認識されています.この活動の中核を担うのが地域の住民の身近で,診療を行っている医師集団でしょう.欧米では早くからプライマリ・ケアの重要性を認識し,医療改革を進める中で,制度的にもその機能を担う医師の養成に力を入れています.かたよった専門医指向への反省として,一般医・家庭医の養成に力を注いできた経緯があります.
わが国でも医師の研修をめぐって,医師研修審議会や日本医師会からさまざまな提言がなされ,専門医と対比してプライマリ・ケア機能を有する医師の重要性が指摘されるようになり,今回,法改正に伴って医師の卒後研修が義務化されることになったわけです.2年間でプライマリ・ケアにおける基本的診療能力を習得すると謳い特に後期1年では地域での保健・医療・福祉に関する研修を行うことになっており,診療所での実習も含まれます.
このような背景を受けて,当学会が永年培ってきた医師の卒後・生涯研修の理論を具体的に提示すべく,より身近で診療の現場に通用する研修ガイドブックが必要であるとの認識に立って,この本が刊行されることになりました.
このプライマリ・ケア医の一日では,日々遭遇する疾患や問題を中心に,基本的事項から応用面まで幅広く研修できるようになっています.マイブックとして日々座右に置いて活用できるのではないかと思います.71名に亘る執筆者の研修者への共通の想いは,コミュニケーションスキルの習得にあると思います.卒後研修の現場に加え,プライマリ・ケアを目指す医師の研修に活用して戴きたく,教える側,学ぶ側共用の本として,全ての医師にとって必須の本であると思います.
発刊に当って多大の御尽力を戴いた多くの執筆者,編集委員の皆様に深く感謝の意を表します.また,出版に当って格段の御努力を戴いた南山堂の皆様に厚くお礼申し上げます.
2004年1月日本プライマリ・ケア学会 会長 小松 真
第1部 プライマリ・ケア医の一日
午前 外来
1.専門職のリーダー・シップ 吉山 直樹
2.診療所の運営と経営 武田 伸二
3.面接の仕方 1 通常の外来 木村琢磨
4.面接の仕方 2 小児の外来 田坂佳千
5.初期診療 生坂政臣
6.救急診療 箕輪良行
7.エビデンスに基づいた身体診察 名郷直樹
8.診察の仕方 矢部正浩
9.基本的な検査の選択・実施・評価 下 正宗
10.診断と問題解決のプロセス 1 涌波 満
11.診断と問題解決のプロセス 2 涌波 満
12.基本的な処置および治療手技 吉山直樹
13.日常健康問題に関する診療 1 感冒 川本龍一
14.日常健康問題に関する診療 2 頭痛 佐々木将人
15.日常健康問題に関する診療 3 腹痛 木戸友幸
16.日常健康問題に関する診療 4 うつ状態 山田健志
17.日常健康問題に関する診療 5 整形外科変性疾患 仲田 和正
18.生活習慣病 1 高血圧 向平 淳
19.生活習慣病 2 糖尿病 藤沼康樹
20.生活習慣病 3 高脂血症 松村 誠
21.小児医療の諸問題 1 発熱 葛西龍樹
22.小児医療の諸問題 2 発達相談 葛西龍樹
23.老人医療の諸問題 堂垂伸治
24.地域ケア 矢島祥吉
25.介護保険 小松 真
26.心身医学的アプローチ 1 中野弘一
27.心身医学的アプローチ 2 林 直樹
28.行動科学的アプローチ 飯島克巳
お昼休み
29.医療専門職との共同学習 一瀬直日
30.職務評価 1 労務管理 杉本俊六
午後 訪問診療
31.在宅医療(在宅ケア)1 鈴木荘一
32.在宅医療(在宅ケア)2 杉山孝博
33.面接の仕方 3 在宅患者 飯島克巳
34.ターミナル・ケア 1 緩和ケア 鈴木 央
35.ターミナル・ケア 2 老人 大頭信義
午後 カンファランス
36.職務評価 2 勤務評価 吉山直樹
37.職務評価 3 自己学習 大野毎子
午後 外来
38.保健 1 個人の健康管理 前沢政次
39.保健 2 地域保健活動 前沢政次
40.福祉・老人 戸村成男
41.健康診断書・証明書の作成 石橋幸滋
42.死亡診断書の作成 安田英己
夜 自宅
43.デジタル情報処理・インターネット検索 津久間秀彦・石川 澄
44.面接の仕方 4 時間外受診患者 藤原靖士
第2部 プライマリ・ケアの勉強部屋と小辞典
A. 医療の基本概念
1.健康,プライマリ・ケアの概念と歴史 前沢政次
2.患者−医師関係 永井友二郎
3.プライマリ・ケアにおける人間関係 松村真司
4.プライマリ・ケアにおける臨床倫理 白浜雅司
5.医療需要 石川 澄
6.医療資源 濃沼信夫
B. 診療の基本
1.面接の仕方 大滝純司
2.診察の仕方 矢部正浩
3.基本的な検査の選択・実施・評価 下 正宗
4.診断と問題解決のプロセス 涌波 満
5.基本的な処置および治療手段 吉山直樹
6.基本的臨床能力教育とプライマリ・ケアの学習の意義 木川和彦
7.EBM 名郷 直樹
C.医療の諸形態ごとの個別事項
1. 日常健康問題にかんする診療 佐々木將人
2.医療連携,コンサルテーション・リファーラル 内山富士雄
3.証明書の作成 石橋 滋
4.在宅ケア 鈴木荘一
5.担癌患者のターミナル・ケア 鈴木 央
6.要介護老人のターミナル・ケア 大頭信義
7.地域ケア 矢島祥吉
8.痴呆の臨床 朝田 隆
9.整形外科変性疾患の諸問題 仲田和正
10.リハビリテーション医療(地域・在宅)長谷川 幹
11.小児医療の諸問題 葛西龍樹
12.思春期・青年期の諸問題 葛西龍樹
13.女性診療に関する諸問題 西村真紀
14.心身医学的アプローチ 中野弘一
15.家族へのアプローチ 飯島克巳
16.タバコ病への対処 高橋裕子
17.東洋(中医・伝統)医学的アプローチ 秋葉哲生
D. 保健・福祉
1.環 境 信川益明
2.産業医の役割 生駒賢治
3.保 健 前沢政次
4.福 祉 戸村成男
5.介護保険(I)医師の立場から 小松 真
6.介護保険(II)ケアマネジャーの立場から新津ふみ子
7.国際保健医療 楢戸健次郎
8.離島・へき地の保健医療 奥野正孝
E. 教育・研究
1.職務評価 吉山直樹
2.医師の教育 横谷省治・津田 司
3.ロール・プレイと模擬患者 日下隼人
4.プライマリ・ケア体験実習 七里眞義
5.医師の自己学習 大野毎子
6.デジタル情報処理 津久間秀彦・石川 澄
7.プライマリ・ケアに関する研究 小泉俊三
F. 医療の管理
1.医療関係法規と医療制度・医療行政の歴史 青山英康
2.社会保障と医療経済 大道 久
3.地域医療の供給体制 田代祐基・寺崎 仁
4.診療所の運営と経営 武田伸二
5.保険診療 石橋幸滋
6.医療のリスクマネジメント 三瀬順一
7.疾病分類,健康問題,ICPC 山田隆司
8.医療の記録,医療情報 石川 澄
9.臨床疫学 宮田靖志・山本 和利
10.医療評価 寺崎 仁
第3部 プライマリ・ケアの小辞典