書籍カテゴリー:病原微生物学|基礎看護学

イラストでわかる微生物学超入門
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イラストでわかる微生物学超入門
病原微生物の感染のしくみ

第2版

  • 産業医科大学 教授 齋藤光正 著

定価:2,970円(本体2,700円+税10%)

  • B5判 208頁
  • 2021年2月 発行
  • ISBN978-4-525-16342-6

概要

カラーイラストを目でみて理解できるから最短で基本をマスターできる!

私たちは感染症を恐れて抗菌薬や免疫力で対策します.
しかし,微生物側も種をかけて様々な生体システムを構築してきました.
私たちが感染症から身を守るためには,自分たち人間ばかりでなく微生物の生存策にも目を向けることが近道といえます.
本書は以下のような特徴を持って,迅速に基本をマスターできる書籍となっています.

[本書のポイント]
・1テーマを見開きで完結.左ページは箇条書き,右ページはフルカラーのイラストで一貫しているので要点がつかみやすい
・微生物学・感染症の知識は膨大なので,重要性の高い微生物・感染症をコンパクトにまとめているから最短で入門者を卒業できる
・微生物と感染症の症状,感染場所,感染方法を極力具体的に記し,実際の場をイメージしやすい

序文

 本書は,「イラストをふんだんに使いながら,目で見えない微生物たちを『見える化』し,微生物目線で感染のしくみをわかりやすく解説する」を基本方針に,2018年に初版を上梓しました.今回の改訂では,初版の方針はそのままに新たに次の点を加えました.
 1)本書は,微生物学が初めての一般の方,および微生物学が苦手の医療系学生の皆さんを対象に,「わかった」「面白い」「微生物が好きになった」と思っていただけることを第一の目標としています.しかし,今回の改訂ではそれだけにとどまらず,医療系学生の皆さんは本書を読めば「微生物学」で修得すべきポイントが概ね身につく,という新たな目標を掲げ,内容の充実を図りました.
  ①医療関連感染,滅菌・消毒・感染予防策,感染症法,抗微生物薬,検査法といった人間目線の内容について,7章を中心に盛り込みました.
  ②免疫とアレルギーを充実させました.「免疫は苦手」という学生の皆さんが多いので,まず免疫システムの全体像をつかんだあとにズームアップする方式で,なるべく平易に記載しました.
  ③初版で未掲載の感染症のうち,重要なものを厳選して加えました.また,寄生虫やダニは「微生物」ではありませんが,私たちのカラダに入ってきて病気を起こす生き物ですので,今回からはコラムで紹介しました.
 2)各章の項目のうち,すこし内容が難しく,初めての方,苦手な方は読み飛ばしていただいてもよいものには,「発展学習」の表示をしました.なお,すべてのコラムについても最初は読み飛ばしていただいて結構です.
 3)全体の知識の整理や復習に役立つような表や図を,巻末資料として掲載しました.
 改訂にあたっては,初版をお読み下さった皆様からお寄せいただいたご感想や貴重なご意見を大いに参考させて頂きました.心より感謝申し上げます.この改訂2版に対しても,ぜひ,読者,専門家の皆様方の忌憚なきご批判,ご叱正を賜り,さらなる改善を図ることができれば幸甚です.ご意見をお待ち申し上げております.
 なお,この序文は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第3波の真っ只中において執筆しております.人類は地球上に誕生した瞬間から感染症との闘いの歴史が始まりました.そして今,まさに新たな歴史が刻まれつつあります.リアルな地球規模の大流行(パンデミック)を目の当たりにすると,あらためて病原微生物の威力を痛烈に思い知らされます.この新しく人類の前に出現したウイルスとの上手なおつきあいが一日も早く始まることを願いながら,皆様のご健康をお祈り申し上げます.
 最後に,今回の改訂でも貴重な御助言と多大なるご尽力を賜りました南山堂の庄司豊隆氏はじめ,編集部の皆様,ならびにイラストレーターの方々に深謝申し上げます.

2021年1月
齋藤光正

目次

第1章 隣人,相利共生,しかしときには敵対関係
 1-1 微生物とはこのような生き物たち ─微生物の種類と生物界における位置づけ
 1-2 微生物はこうして人間に見つけられた ─微生物学のあゆみ
 1-3 微生物は今の地球環境をつくり出した功労者 ─微生物の地球上における歴史
 1-4 数百兆個の細菌たちと人間は一緒に仲よく暮らしている ─ヒトの常在細菌叢とその役割
 1-5 微生物だってこの地球上で生き延びたい! ─微生物がヒトに「感染」するとき
 1-6 微生物と人体防衛軍との戦い(1) ─人体に配備されている3つの防衛線と担当細胞たち
 1-7 微生物と人体防衛軍との戦い(2) ─第1の防衛線と第2の防衛線「自然免疫」
 1-8 微生物と人体防衛軍との戦い(3) ─第3の防衛線「適応免疫(発動→液性免疫)」
 1-9 微生物と人体防衛軍との戦い(4) ─第3の防衛線「適応免疫(細胞性免疫→終息)」


第2章 細菌の性質と生きるための戦略
 2-1 細菌にはいろいろな形がある ─細菌の形態と構造
 2-2 染色液で染め分けられる ─グラム染色,抗酸性染色,芽胞染色
 2-3 子孫の増やしかた ─細菌の分裂と増殖
 2-4 住む場所へのこだわりは強い ─細菌の増殖に適した環境
 2-5 欲しいものがあれば走って行って手に入れる ─細菌の走化性,物質の取り込み
 2-6 生きていくためのエネルギーは自らつくり出す ─細菌の代謝
 2-7 防衛軍からの護身術 ─免疫システムからの細菌の回避手段
 2-8 住みづらいなかでの細菌流ストレス克服術 ─環境に対するストレス応答
 2-9 大勢で身を寄せ合って生き延びろ! ─バイオフィルムの形成
 2-10 まわりをみながら身の振り方を考える ─二成分制御系
 2-11 仲間とのコミュニケーションは大切 ─クオラムセンシング
 2-12 細菌が使用する秘密兵器 ─細菌毒素
 2-13 人間が手に入れた強力な武器 ─抗菌薬
 2-14 人間の抗菌薬攻撃に対する細菌の応戦 ─薬剤耐性のメカニズム
 2-15 守備が手薄になったところを攻め込む ─日和見感染症
 2-16 病院内でずっと隙をうかがっている ─医療関連感染症
 2-17 近ごろ話題の細菌たち(1) ─腸管出血性大腸菌O157
 2-18 近ごろ話題の細菌たち(2) ─「ピロリ菌」
 2-19 近ごろ話題の細菌たち(3) ─レジオネラ
 2-20 近ごろ話題の細菌たち(4) ─人食いバクテリア
 2-21 美味しそうな食事に潜む細菌たち(1) ─細菌性食中毒
 2-22 美味しそうな食事に潜む細菌たち(2) ─細菌性食中毒
 2-23 歴史の陰に性病あり ─細菌による性感染症
 2-24 海外で出会うかもしれない細菌たち ─海外では今も流行している細菌感染症
 2-25 近ごろ出会わないけど,またいつだって…… ─患者数が激減した細菌感染症
 2-26 結核は「昔の病気」ではありません ─わが国の結核事情
 2-27 細胞壁のない異端児 ─マイコプラズマ
 2-28 ツツガなく過ごさせるわけにはいきません ─リケッチア
 2-29 形を変えながら細胞のなかで子孫を増やす ─クラミジア


第3章 ウイルスの性質と生きるための戦略
 3-1 ウイルスとは何者か? ─ウイルスの発見,ウイルスの特徴
 3-2 形や大きさは千差万別 ─ウイルスの構造と大きさ
 3-3 どこからやってくるのか,どこから入るのか,どこへ行くのか ─ウイルスの感染経路と体内での広がり
 3-4 人間の細胞をちゃっかりと乗っ取る ─ウイルスの増殖過程
 3-5 人間にとってはなかなか手ごわい相手 ─ウイルス感染に対する生体防御
 3-6 隠れておいて登場の機会をうかがう ─潜伏感染,慢性感染,遅発性感染
 3-7 かぜはほとんどがウイルスたちの仕業だった ─かぜ症候群の原因ウイルス
 3-8 冬に嘔吐下痢症を起こすウイルスたち ─ロタウイルスとノロウイルス
 3-9 「ぶつぶつ」を起こすウイルスたち(1) ─麻疹,風疹,りんご病の原因ウイルス
 3-10 「ぶつぶつ」を起こすウイルスたち(2) ─ヘルペス,突発性発疹,みずぼうそうの原因ウイルス
 3-11 毎年冬になると大暴れ ─インフルエンザウイルス
 3-12 エイズを引き起こすウイルス ─ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
 3-13 赤ちゃんに乗り移るウイルスたち ─母子感染の原因ウイルス
 3-14 野山でダニとともにあなたを狙っている ─マダニ媒介性ウイルス感染症
 3-15 蚊はウイルスの運び屋 ─蚊媒介性ウイルス感染症
 3-16 海外で出会うかもしれないウイルスたち ─蚊媒介性感染症,狂犬病,ポリオ
 3-17 がんの原因の一部はウイルスだった ─がんウイルス
 3-18 世界を震撼させたウイルスたち(1) ─エボラウイルス
 3-19 世界を震撼させたウイルスたち(2) ─コロナウイルス


第4章 真菌の性質と生きるための戦略
 4-1 病気を起こすけれどカビやキノコの仲間です ─真菌の形と構造
 4-2 真菌の増え方 ─有性胞子と無性胞子
 4-3 人間にもカビが生えることがあるのです ─真菌感染症の分類,侵入経路
 4-4 健康な人にもお邪魔します ─表在性真菌症,深部皮膚真菌症を起こす真菌たち
 4-5 カビが人間の抵抗力に勝つとき ─深在性真菌症を起こす真菌たち


第5章 原虫の性質と生きるための戦略
 5-1 原虫とは何者か? ─原虫の構造と種類
 5-2 TPOに応じて姿・形を変えていく ─原虫の生殖,増殖,生活環
 5-3 虫に刺されて侵入してくる原虫たち ─節足動物媒介性原虫感染
 5-4 口から飲み込まれて入ってくる原虫たち ─食物・水媒介性原虫感染
 5-5 油断ならない原虫たち ─経胎盤感染,水系感染,性感染


第6章 プリオンのなぞ
 6-1 プリオンは生き物ではないが感染する ─異常型プリオンの構造と性質
 6-2 プリオン病とはこんな病気 ─いわゆる狂牛病問題


第7章 感染症からヒトを守る戦略と微生物の利用
 7-1 感染症の実情を知って備える ─感染症動向と「感染症法」
 7-2 微生物を避ける(1) ─医療関連感染を防げ!?滅菌と消毒
 7-3 微生物を避ける(2) ─医療関連感染を防げ!?標準予防策
 7-4 微生物を避ける(3) ─医療関連感染を防げ!?感染経路別予防策
 7-5 微生物と戦う(1) ─ヒトと微生物との飽くなき戦い?抗菌薬
 7-6 微生物と戦う(2) ─抗ウイルス薬,抗真菌薬,抗原虫薬
 7-7 微生物と戦う(3) ─血清療法,ワクチン
 7-8 微生物を操る ─微生物の活用と悪用
 7-9 未来に向かって ─ヒトと病原微生物との正しいおつきあい


 column 1 抗体(免疫グロブリン)の5つの種類
 column 2 母親からもらうプレゼント ─移行抗体と初乳
 column 3 「デキる人体防衛軍」の2つのヒミツ ─遺伝子再構成と免疫寛容
 column 4 人体防衛軍の暴走 ─アレルギーと自己免疫疾患
 column 5 細菌の遺伝学
 column 6 赤ちゃんに乗り移って病気を起こす細菌たち ─母子感染の原因となる細菌
 column 7 グラム染色は「迅速診断」の優れたツール
 column 8 年齢の好みは千差万別 ─細菌性髄膜炎の原因となる細菌
 column 9 鳥インフルエンザ
 column 10 肝炎ウイルス
 column 11 ファースト・キスのそのあとで…… ─EBウイルス感染症(キス病)
 column 12 本当は怖いおたふくかぜ─ムンプスウイルス感染症
 column 13 「微生物」ではありませんが…… ─近ごろお騒がせなムシたち
 column 14 手洗いはキホンだけど案外むずかしい
 column 15 目では見えない微生物を見つけ出せ! ─感染症の検査


巻末資料

日本語索引
外国語索引