書籍カテゴリー:薬理学|基礎看護学

イラストで理解するかみくだき薬理学
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イラストで理解するかみくだき薬理学

1版

  • 阪南市民病院 医療安全管理室 町谷安紀 著

定価:2,484円(本体2,300円+税8%)

  • B5判 184頁
  • 2018年9月 発行
  • ISBN978-4-525-14081-6

概要

1テーマ2ページで完結!フルカラーでとってもわかりやすい薬理学

医療従事者であれば薬とのかかわりは避けられない.しかし薬の種類は多様で作用機序も複雑であり,どこから学習し始めて良いかわかりづらい.本書では身近な疾患を例に,健康な状態からどのようにバランスを崩していて,どのようにして薬で戻していくのかをできる限りかみくだいて解説した.はじめての薬理学の下地づくりにお勧めの一冊である.

序文

 臨床の薬剤師として,医師,看護師等と共に患者さんへの医療の提供にこれまで携わり,医師,看護師等のスタッフがどのような考え方で仕事に臨んでいるのかを近くで感じながら仕事をしてきました.また,他職種の医療スタッフから求められる薬の情報は立場によってずいぶん異なるのだと感じてきました.特に新人スタッフへは色々な知識や考え方を相手の理解度に合わせて,わかりやすく提供する事が大切だと感じています.この経験は学生への講義でも活かすことができています.これまで十数年間,大学,専門学校等で薬理学や生化学の講義をする機会があり,国家試験のセミナーや講義も多く担当してきました.

 薬理学という学問は,薬の働きを学習する学問ですが,まずは体のしくみ,次に疾患の発生要因,そして最後に薬を使用する目的やしくみを順序だてて理解することが大切です.この順序で学習することにより,薬に関する生きた知識となり,行動できるようになると考えています.本書では,まず一通り薬の役割を理解することを目的にしており,詳細な説明をあえて省いているところがありますので,予めご理解頂ければと思います.

 また,本書では学問の分野の縦割りをなくし,体のつながりと薬物治療の流れを臨床に活用することを意識してまとめました.臨床への活用は看護師をはじめ,理学療法士等のリハ職や,臨床検査技師,放射線技師,管理栄養士,臨床工学技士等,多くの職種に通じます.求められる薬物治療の知識として,国家試験でも問われるものは特に重要であると考え,過去3年間の各種国家試験で繰り返し出題されている内容を意識して本書を執筆しました.特に次の点が重要と考えています.
 ① 重要な内容は学科,分野ごとに多少の軽重はあるものの共通部分が多くある.
 ② 国家試験で問われる内容は世相を映しており,臨床現場でも重要な実用部分,医療安全に関わる部分が問われている.

 初めて薬理学を学ぶ学生さんをはじめ,新人・ブランクがある医療スタッフ,薬剤師から多職種への薬のレクチャー等にぜひご活用頂ければと願っています.誠心誠意執筆いたしましたが,まだまだ至らぬ所があると思います.お気付きの点がありましたら,ご意見,ご指導を頂ければ幸いです.

 また,本書の作成にあたり,最初の読者となってお忙しい中ご意見を下さった富士谷昌典さん,富士谷 渚さん,制作を担当して下さった南山堂編集部の方々に本当にお世話になりました.この場を借りてお礼申し上げます.

 最後に,本書を手に取って下さった皆様が,薬物治療の理解と,患者さんへの安心・安全な医療の提供に寄与できればこの上ない喜びです.自分も一人の医療スタッフとして,わかりやすい薬物治療につながる様々なレクチャーを今後もライフワークとして楽しく提供し続けたいと思っています.

2018年7月
町 谷 安 紀

目次

第1章 薬の特徴と体の関わり
1-1  薬の種類と特徴 1
1-2  薬の種類と特徴 2
1-3  体と薬物動態
1-4  依存と薬物中毒
1-5  小児と高齢者
1-6  妊婦と授乳婦
1-7  薬の管理
1-8  薬と情報
1-9  薬と医療安全

第2章 神経の疾患と治療
2-1  神経の構造・分類とはたらき
2-2  刺激が伝わるしくみと作用
2-3  末梢神経のはたらきと疾患の治療
2-4  中枢神経に関連する疾患の理解のポイント
2-5  中枢神経の伝達物質が多い疾患
2-6  中枢神経の伝達物質が少ない疾患
2-7  局所麻酔のしくみ ─末梢神経への作用を抑えるしくみ
2-8  全身麻酔のしくみ ─中枢神経への作用を抑えるしくみ
2-9  睡眠薬は中枢麻酔薬
2-10 神経の慢性疾患であるてんかん

第3章 心臓と血液と腎臓に関連する疾患と治療
3-1  血液が流れるしくみ ─心臓・血管・腎臓のはたらき
3-2  高血圧の原因と治療【メタボ関連疾患】
3-3  心臓の疾患と治療 1 ─虚血性心疾患
3-4  心臓の疾患と治療 2 ─心不全
3-5  心臓の疾患と治療 3 ─不整脈
3-6  腎臓のはたらき
3-7  利尿薬のしくみと副作用
3-8  血液の異常に関連する薬物 1 ─脂質異常症【メタボ関連疾患】
3-9  血液の異常に関連する薬物 2 ─貧血,抗凝固薬

第4章 微量だが体内で重要な役割を果たす物質と関連する疾患
4-1  ホルモンのはたらき
4-2  血糖に関わるホルモン 1 ─糖尿病のきほん【メタボ関連疾患】
4-3  血糖に関わるホルモン 2 ─糖尿病とインスリン【メタボ関連疾患】
4-4  下垂体ホルモンが刺激する器官と関連する疾患 1 ─副腎皮質・髄質ホルモン
4-5  下垂体ホルモンが刺激する器官と関連する疾患 2 ─甲状腺ホルモンと副甲状腺ホルモン
4-6  下垂体ホルモンが刺激する器官と関連する疾患 3 ─性ホルモンと経口避妊薬
4-7  消化酵素と補酵素 ─消化液とビタミンのはたらきと治療

第5章 気管(支)や肺に関連する疾患と治療
5-1  気管(支)と肺のはたらき
5-2  呼吸に関連する疾患 ─気管支喘息と咳止め,痰切り
5-3  呼吸に関連するその他の疾患 ─誤嚥性肺炎,慢性閉塞性肺疾患,睡眠時無呼吸症候群,気胸

第6章 消化管に関連する疾患と治療
6-1  消化管(口〜おしりの穴)のはたらきと潰瘍
6-2  消化管に関連するその他の疾患と治療
6-3  上部・下部内視鏡検査

第7章 肝臓・胆管系・すい臓に関連する疾患と治療
7-1  肝臓のはたらき
7-2  肝臓の疾患と治療 ─肝炎,肝硬変と肝がん,アルコール性肝障害
7-3  胆管系とすい臓の疾患と治療

第8章 体外からの防御のしくみ
8-1  免疫の構成とはたらき
8-2  免疫機能を強める薬と予防接種
8-3  アレルギーの分類と抗体
8-4  アレルギーの疾患と治療
8-5  炎症と抗炎症薬
8-6  自己免疫疾患 ─リウマチ性疾患,炎症性腸疾患

第9章 がん(悪性新生物)と治療
9-1  がん(悪性新生物)
9-2  抗がん薬総論
9-3  抗がん薬各論と副作用 1
9-4  抗がん薬各論と副作用 2
9-5  抗がん薬の副作用への対応
9-6  がんの痛みの特徴と評価
9-7  がんの痛みの種類と治療
9-8  WHO方式三段階除痛ラダーと薬の使い方
9-9  医療用麻薬の副作用対策

第10章 感染症と治療
10-1  感染症の考え方と細菌の種類
10-2  細菌感染症治療のきほん
10-3  抗菌薬治療のしくみとはたらき
10-4  結 核
10-5  ウイルスの特徴と種類 1
10-6  ウイルスの特徴と種類 2
10-7  真菌の特徴と種類
10-8  感染経路と標準予防策
10-9  病原体と消毒薬
レベルUP 感染症治療 抗菌薬,もう一歩

第11章 その他の各器官に関連する疾患と治療
11-1  代表的な眼の疾患 ─緑内障と白内障
11-2  皮膚疾患と褥瘡の治療
11-3  骨折と治療
11-4  輸液の特徴

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