書籍カテゴリー:生命科学|生化学

ZEROからの生命科学
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ZEROからの生命科学

2010年 改訂3版

  • 立教大学教授 木下 勉 著
  • 慶應義塾女子高等学校教諭 小林 秀明 著
  • 明治大学教授 浅賀 宏昭 著

定価:2,520円(本体2,400円+税5%)

  • B5判 177頁
  • ISBN978-4-525-13413-6

本書は,高校で生物を履修していなくても,大学教養レベルの生命科学をわかりやすく学ぶことができる.高校生物と生化学の橋渡し的テキストとしても最適である.生命科学は近年,目覚ましい進歩を果たしているが,本書ではiPSや RNAiなどの重要なトピックスも取り上げている.「生命科学」の授業用の教科書・参考書としてもお勧めする.

序文

2004年1月に誕生して以来,幸いにも本書は多くの大学や専門学校などで教科書や参考書として継続してご採用いただきました.これは,本書の基本的なコンセプトが受け容れられた証拠であると考えられ,この度,改訂3版を出すことに,著者一同の意見が一致しました.
改訂2版を出してからの約5年の間,生命科学に関連した大きな出来事がありました.最もインパクトが大きかったのは,山中伸弥・京都大学教授による人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製でしょう.また,生命科学研究に欠かせないツールとなった緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見と開発で下村脩・ボストン大学名誉教授がノーベル化学賞を受賞したことも,その蛍光の如く鮮やかに記憶に残っています.他にも多数の発見や解明があり,この点からも本書の改訂のタイミングはこれ以上遅らせられないと感じ,酷暑の中,粛々と改訂作業を進めました.
改訂3版では,前回の改訂のコンセプトである「よりわかりやすく(より読みやすく,より見やすく)」,「より新しく」,「より正確に」を踏まえた上で,最新の研究成果もできるだけ盛り込んだ点に特徴があります.
また,今回はとても多くの先生方に有益なご意見を賜りましたので,それらを可能な限り紙面に反映させることを目指しました.ページ数には限りがありますので,すべてのご要望には応えられていないかもしれませんが,より充実した新しい内容をぜひご確認いただきたいと存じます.
最後に,この場を借りまして,貴重なご意見を賜った先生方に謹んで感謝の意を表しますと共に,改訂3版もこれまで同様にご活用いただけますよう,著者一同,お願い申し上げます.


2009年11月1日
木下 勉・小林秀明・浅賀宏昭



目次

Chapter1 生命とは
 1.生命とは
 2.他の生物や無生物環境との関わり合い

Chapter2 生命の最小機能単位・細胞
 1.細胞の多様性
 2.細胞の基本構造とその機能
 3.細胞骨格と細胞運動
 4.細胞周期とその調節
 5.細胞死

Chapter3 多細胞動物の体
 1.組織,器官,器官系
 2.器官の働き
 3.配偶子形成
 4.受精と初期発生
 5.細胞接着と細胞外マトリックス
 6.器官形成の機構
 7.幹細胞と器官の再生
 8.細胞の老化と個体の老化

Chapter4 生命体を構成している物質
 1.生体を作る元素
 2.水と無機質
 3.タンパク質
 4.糖 質
 5.脂 質
 6.核 酸

Chapter5 体内における物質代謝
 1.酵素反応とその阻害
 2.酵素の分類
 3.ビタミンと補酵素
 4.栄養素の消化と吸収
 5.糖質代謝
 6.タンパク質の代謝
 7.脂質代謝
 8.核酸(ヌクレオチド)代謝

Chapter6 生命の設計図・遺伝子の複製と発現
 1.メンデルによる遺伝の考え方
 2.ヒトに関する遺伝現象
 3.遺伝子の本体・DNA の構造
 4.遺伝子の存在様式
 5.DNA の複製
 6.転 写
 7.翻 訳
 8.遺伝子発現の調節
 9.DNA 損傷と修復機構
 10.減数分裂におけるゲノムの分配と遺伝的多様性
 11.DNA の変異と発がんおよび進化
 12.遺伝子工学

Chapter7 ホメオスタシス(恒常性)
 1.ホメオスタシスの概念
 2.内分泌系とホルモン
 3.ホルモンによる調節
 4.神経系による調節
 5.内分泌系と神経系によるクロストーク

Chapter8 生体の防御・免疫系と疾患
 1.非特異的な生体防御機構
 2.免疫と免疫担当細胞
 3.体液性免疫
 4.細胞性免疫
 5.免疫と疾患
 6.臓器移植と免疫抑制剤

生命科学の泉「ヒトに関する数値」

Column
 ・生物の多様性
 ・C4 植物とCAM 植物
 ・プリオン病
 ・寿命がない不老不死の多細胞動物になりたいか?
 ・丸い種子としわの種子
 ・検定交雑
 ・肺炎連鎖球菌(旧肺炎双球菌)
 ・RNA ワールド

Step Up
 ・iPS 細胞
 ・抗がん剤となり得るタンパク質キナーゼの阻害剤
 ・ラインウィーバー― バークの二重逆数プロット
 ・RNAi
 ・エピジェネティクス